JAXAとJR西日本、スカパーJSATの3者は2024年5月24日、JR西日本が社内開発した機械予測AI技術を人工衛星などの宇宙機に活用するための共創活動を開始すると発表した。
3者共創活動のイメージ
JR西日本は社内開発したAIを自動改札機の故障予測など実業務に利用している。JAXAとJR西日本は、この技術を人工衛星に適用するための事業コンセプト活動を「JAXA 宇宙イノベーションパートナーシップ」の枠組みのもとで、2022年10月から行ってきた。この活動では、人工衛星の故障と異常兆候の検知AIの開発を行い、従来の運用管制では視覚的に確認することが困難だった外部環境による影響や、複数のテレメトリデータの相互関係を可視化させ、人工衛星運用の品質向上、業務効率化につながる複数のAIモデルを構築したという。
今回、この活動に累計30機以上の人工衛星運用の実績を持つスカパーJSATが参加する。これにより、商用衛星運用における課題の明確化と、衛星テレメトリ解析AIモデルの高度化が可能になるという。また、実運用環境での利用に向けた実証を通じ、異常兆候検知AIを通じた衛星運用の品質向上、業務効率化に取り組み、さらなる安定運用を目指す。
将来的には、軌道上衛星の有効な利活用事業や、リスクヘッジ事業の構想、およびその事業性の検討をしていくとしている。