<特集>6G胎動 AIのためのネットワークへ6Gの主力周波数は? 7~15GHz帯が急浮上

6Gは、ローバンドからサブテラヘルツ波まで広い周波数の利用が想定されている。中でもアッパーミッドバンドに注目が集まっているが、主軸として活用するには克服すべき課題も少なくない。

6Gでは、5Gより遥かに多様なユースケースが想定されている。用途ごとに適した特性を持つ周波数帯を選択的に使用したり、性質の異なる複数の帯域を組み合わせて利用するといった、これまでにない周波数の利用形態が必要になる可能性がある。

例えば、6Gの代表的なアプリケーションと考えられている没入型コミュニケーションを多くのユーザーが快適に行うには、数Gbpsを超える高速・大容量通信が必要だろう。その実現には、数百MHz幅といった広い帯域を利用できるミリ波(24~90GHz)や、サブテラヘルツ波(90~300GHz)という高い周波数帯の利用が不可欠となる。現実世界とサイバー空間で膨大なデータをやり取りするサイバーフィジカルシステム(CPS)でも同様のことが言えるだろう。

他方、使いたい場所でいつでも通信ができる「ユビキタス通信」を実現するには、1つの基地局で広い範囲をカバーできるローバンド(1GHz以下)やミッドバンド(1~6GHz)が使いやすい。

そこで6Gでは、様々な周波数帯で利用されることが想定されている(図表1)。6Gで新たに開発される無線インターフェース(仮に「6G NR(New Radio)」と呼ぶ)には、新たに利用が可能になる高い周波数帯で効率的に高速・大容量通信を行えるだけなく、ローバンドやミッドバンド、ミリ波といった既存の移動通信用帯域を5G/4Gと共用できる能力も求められる。

図表1 6Gに向けた周波数帯の開拓

図表1 6Gに向けた周波数帯の開拓

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