2024年2月22日に開催された情報通信審議会 情報通信技術分科会 新世代モバイル通信システム委員会(第28回)において、「ローカル5G検討作業班」の再開がアナウンスされた。
2018年に設立されたローカル5G検討作業班は、ローカル5Gの普及に向けて、制度開始後も規定や運用法の見直し等について検討を続けてきた。これまで、非同期運用(通信リソース配分の上下比率を変更する運用方法)の実現をはじめとする様々な事項を審議。直近では、2022年に共同利用制度(参考記事:ローカル5G市場は新章へ 共同利用で普及モデルを作れるか)や免許手続・定期検査の簡素化などを審議し、2023年の制度改正に至っている。
このローカル5G検討作業班が、2024年2月28日に再開される。2022年10月の第19回以来の開催であり、当時も議題に上がっていたローカル5Gの海上利用を含め、主に3つの議題を審議する予定だ。
要望が根強い「海上利用」とは
現行のローカル5G制度は陸上での利用を前提としているが、洋上風力発電や海底油ガス田などの海上プラットフォームでの利用ニーズがあり、海上でも使えるようにする制度化の要望が少なくなかった。
海上への利用拡大に関する自己土地・他者土地利用の考え方
そこで、2022年にも作業班で海上利用を可能にするための技術的条件等を検討。海面は他者土地相当とすること、特定の海上構造物は自己土地相当とする(上図表)などの考え方を示した。同年に行った新世代モバイル通信システム委員会への報告では、対象周波数を4.7GHz帯とすること、領海内を利用範囲とすることなどを条件として制度整備の検討を行うよう継続課題とした。
作業班の再開後は主に、「海上利用の場合に適用する伝播モデル」と、干渉が懸念される「公共業務用無線局との共用条件」が論点となる。