サトーは2024年2月9日、 AI活用により商品判別から食品表示ラベル発行を自動化するシステム「AI画像スキャン値付け」を新たに開発し、同年3月より提供開始すると発表した。
AI画像認識と音声サポートで事故を防止
消費者庁が定める食品表示法は、消費者が食品を安全に摂取し合理的に選択できることを目的に、原材料や添加物、消費期限のみならず、アレルゲンや保存方法、栄養成分といった表示すべき事項が義務付けられている。
年々、食品表示の厳格化が進む一方、スーパーマーケットなどの総菜や生鮮品を加工・製造する現場では、商品製造から食品表示ラベル選定・発行まで人手による運用が中心となっている。そのため、多数の製造商品とそれに一致する食品表示ラベルを熟知したスタッフが必要であり、かつ属人的運用によるミスが発生しやすいという課題が存在している。
消費者庁の発表によると、食品衛生法の改正が施行された2021年6月1日から2023年9月末時点で、食品関連事業者等が食品表示法に関する公開件数は3930件。そのうち、食品表示法に基づく自主回収の理由別・発生原因のトップは「ラベルの貼り間違い」であり、全体の約42%を占めている。
サトーはこの課題に着目し、AIによる商品認識から適切な食品表示ラベルを自動発行するシステムを開発。同システムの活用により、総菜や生鮮加工食品における製造オペレーションの省人化と、食品表示における法令違反の発生を軽減し、消費者へ正確な食品情報の提供を可能にするとしている。
具体的には、付属のカメラが商品を画像認識しAI解析により当該商品を判別。システム画面に食品表示ラベルの情報をプレビュー表示し、音声が商品名を読み上げる。発行したラベルを剥離すると、再び音声が商品名と売価を読み上げる仕組みだ。
「AI画像スキャン値付け」概要
本体価格は、60万円(タブレットPC、カメラ、台座、ラベル発行機、設置費を含む)。AIシステム利用費は、1台あたり月額2万円となっている。