ネットワンシステムズは2011年12月20日、ワークスタイル変革をテーマにした記者説明会を開催。シスコシステムズのビジネスタブレット「Cisco Cius」によるデモなどを行った。
ネットワンシステムズ ビジネス推進グループ 技術本部 ソリューション技術部 第4チーム 課長 横山哲雄氏 |
「70%の人がワークスタイルの変化を望んでいる」「震災以降、20%の企業がテレワークを実施している」などの調査結果を同社ソリューション技術部 第4チームの横山哲雄課長は紹介したが、今年3月に発生した東日本大震災は、多くの企業や個人にとって働き方を見直すきっかけとなった。いつでもどこでも同じ生産性で働ける環境を、普段から提供することの重要性を痛感させられたともいえるだろう。
そのため導入機運が高まっているのVDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップインフラ)である。しかし、横山氏はVDIだけでは問題があると指摘した。ネットワンでは以前からVDIを導入しており、震災後の在宅勤務中にも活躍したというが、次の点では困ってしまったという。それはコミュニケーションの問題だ。「お客さんからの電話を逃すことは機会損失にもつながる。また、普段通りに上司や同僚とコミュニケーションを取れないのは、チームとしてアウトプットを出す働き方の場合、かなりの致命傷になる」(横山氏)。
VDIの4つのメリット。運用管理コストの削減やセキュリティ面も重要なメリットだ |
そこでネットワンでは、社員1人ひとりに050番号を割り当ててオフィスの自席電話とモバイルへの同時着信を実現する「シングルナンバーリーチ」、モバイル端末の内線化、Web会議の活用などにより、いつでもどこでもコミュニケーションを取れる環境を現在では整備したという。デスクトップとコミュニケーション――この2つについて、場所に囚われずにいつでもどこでも同じ生産性を提供できる環境のことを、ネットワンでは「仮想ワークスペース」と呼んでいる。
ネットワンではコラボレーション環境も仮想化することで、いつでもどこでもコラボレーションできるように |
この仮想ワークスペースのコンセプトを分かりやすく体現しているのが、VDI用のシンクライアント端末、電話機、ビデオ端末などの役割を1台で果たすことができるCiusだ。外出先ではCius単独で利用。オフィスに戻ったら受話器の付いたメディアステーション、そして外付けのディスプレイとキーボードもつなげて活用するというかたちだ。なお、Ciusは、「Cisco Unified Communications Manager(CUCM)」などシスコのインフラとセットで活用することが前提となっている。
Cisco Ciusの特徴。なお、3G/4Gについては日本ではまだ対応していない |
また、タブレットというと企業でもiPadが圧倒的な人気だが、横井氏は「iPadはビジネスに“持ち込める”タブレットではあるが、ビジネスに“向いている”タブレットではない。一方、Ciusは、Jailbreakのリスクが皆無など、Androidをベースにビジネス向けに特化して開発されているのが特徴」と語った。さらに、ビデオ会議などコミュニケーション機能が充実している点などもCiusの優位性として挙げられるという。
Ciusのデモを行う第4チーム エキスパートの玉井真氏 | メディアステーションを装着した状態でビデオ通話中のCius |