「v2.0とv3.0が“進化”だったのに対し、v4.0は“革命”。我々はそう位置づけている」――。Bluetoothの業界団体、Bluetooth SIGは2011年12月6日、記者説明会を開催した。そのなかで同SIGのチーフマーケティングオフィサーであるシューク・ジョワンダ氏はBluetooth v4.0について、このように述べた。
Bluetooth v4.0の最大の特徴はローエナジー技術だ。ボタン型電池で1~2年駆動できるようになり、Bluetoothの適用範囲は一気に拡大すると見られているが、最近いよいよv4.0対応デバイスがマーケットに出回り始めている。ジョワンダ氏が語ったBluetooth v4.0の現状や普及戦略などについてレポートする。
左はBluetoothのバージョンアップの歴史。v2.0ではEDR(Enhanced Data Rate)に対応し、通信速度はそれまでの1Mbpsから3Mbpsに高速化した。v2.1ではセキュアシンプルペアリングもサポートし、簡単に Bluetooth機器同士を接続できるようになった。v3.0では、IEEE802.11のMAC/PHY層を用いて24Mbpsも可能に。そして v4.0の登場となる。また、右はBluetooth対応機器の出荷台数。2010年は約17億台が出荷されたという |
心拍計付きワイヤレスヘッドセットなども登場
昨年7月にリリースされたBluetooth v4.0だが、チップ開発を経て、対応デバイスが初めて市場に登場したのは今年7月のこと。「最初の対応製品として発表されたのは、アップルのMacbook AirとMac miniだった」という。なお、アップルは今年7月からBluetooth SIGの理事会メンバーも務めている。また、iPhone 4Sは世界初のBluetooth v4.0対応スマートフォンとなった。ジョワンダ氏によれば、さらにマイクロソフトも9月にWindows 8でのBluetooth v4.0のフルサポートをコミットメント。エイサーやモトローラなどからも、Bluetooth v4.0対応デバイスが発表されているという。
その一例が来月の発売予定となっているモトローラの心拍計付きのワイヤレスヘッドセット「SF500」だ。ジョギング中にSF500を耳に装着すれば、音楽を楽しみながら心拍数を計測することができる。測定データは、Bluetooth経由で同社のフィットネス向け小型Android端末「MOTOACTV」に送信。さらにそこからMOTOACTV専用のWebサイト「MOTOACTV.com」にアップロードされ、閲覧/管理/共有などが行えるようになっている。
Bluetooth v4.0に対応したモトローラの「SF500」(右)と「MOTOACTV」 |
また、ジョワンダ氏は、Bluetooth v4.0対応温度センサーなどを活用したEmerson社製のスマートホーム用ソリューションも紹介。ヘルスケア&フィットネスに加えて、スマートホームやスマートエナジーもBluetooth v4.0の重要なターゲットの1つになっているという。