NECの生成AIビジネスが本格始動 多様な業界に向けた“特化型LLM”に注力

NECが生成AIに関するビジネス戦略を発表した。高い日本語処理能力と軽量さを有する独自LLM「cotomi(コトミ)」をベースに、業種特化型モデルの構築に注力する。医療や金融、自治体などが主なユースケースだ。

「AIは今、ファウンデーションモデルの時代。誰もが容易にAIを構築できるようになった。我々の強みであるマルチモーダルAIやセキュリティ、ネットワーク技術を融合させてビジネス創出を加速させていく」

NEC 執行役 Corporate EVP兼CTOの西原基夫氏は、2023年12月15日に開催された同社の研究開発などを紹介する「NEC Innovation Day 2023」でこう語った。

西原氏

NEC 執行役 Corporate EVP兼CTO 西原基夫氏

NECは今年7月、日本市場向けLLM(大規模言語モデル)を発表しているが、このLLMを「cotomi(コトミ)」と名付け、企業のDXを支える共通基盤「NEC Digital Platform」に組み込んで提供する。

cotomiは、高い日本語性能を持つ軽量なLLMだ。パラメーター数は130億と、海外の有力なLLMと比べて約1/13に抑えられている。また、cotomiのさらなる高度化に取り組んだ結果、「全ての他社LLMを上回る日本語処理能力を有していることが確認できた」(西原氏)という。

30万字の長文プロンプトにも対応。“書籍まるごと”の処理も可能で、他社比最大150倍の長文処理能力を有するという。

Cotomiの特徴

Cotomiの特徴

cotomiをベースに、「まずは個別企業をターゲットとした業種特化モデルを整備する。その後、この特化モデルをパッケージ・ソリューションに組み込んでお客様に提供していく」とNEC 執行役 Corporate EVP兼CDOの吉崎敏文氏は意気込んだ。

NEC 執行役 Corporate EVP兼CDO 吉崎敏文氏

NEC 執行役 Corporate EVP兼CDO 吉崎敏文氏

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