ローカル5GとWi-Fi 6Eで救急医療を高度化、NTT Comらが徳島県で実証へ

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2023年12月7日、NTTデータ経営研究所が設立したコンソーシアムが実施する、徳島県における救急医療連携の高度化に関する実証に参画すると発表した。

本実証は、総務省「令和5年度 地域デジタル基盤活用推進事業(実証事業)」において実施されるもの。ローカル5GやWi-Fi 6E、4Kカメラを使用して、救急搬送時の救急車内から搬送先病院および2次・3次救急病院間における医療情報連携の高度化を目指す。

本実証の概要

本実証の概要

NTT Comは前年度の実証事業において、救急車と各施設間で1対1で行う映像・バイタルの遠隔連携モデルを設計・構築し、医療視点での有効性を検証した。だが、実際の救急医療では、複数の医療機関と調整が発生するため、令和5年度は実装に向けて、複数の消防本部と複数の搬送先病院との映像・バイタルの遠隔連携、および複数の2次救急病院と複数の3次救急病院との遠隔連携(N対N対応)の接続検証を行う。

具体的には、ローカル5GやWi-Fi 6Eおよび4Kカメラ等を活用し、N対N対応を可能とする「地域医療連携モデル」のソリューションを開発。5つの病院と3つの消防本部において、実機を用いた機能検証を2023年12月から行う。消防本部と医療機関との連携の質を向上させることで、3次救急への救急搬送の集中回避、転院搬送の緩和を行い、結果として救命率向上に貢献することを目指すとしている。

NTT Comは「docomo MEC」と、映像伝送システム「Smart-telecaster Zao-X/Zao Cloud View」を使った4K映像伝送サービスを提供。キャリア5Gとローカル5G間をセキュアかつ低遅延に相互接続し、N対N対応に関する接続検証を実施する。

実証内容は、下記の2つ。

救急車と搬送先病院間でキャリア5G、LTEおよびローカル5G、Wi-Fi 6Eによる無線接続を行い、搬送中の患者の容体を4Kカメラ映像およびバイタルデータを伝送することによって共有する。

実証内容1のイメージ

実証内容1のイメージ

合わせて、2次救急病院と3次救急病院間をローカル5Gにより無線接続し、患者の4Kカメラ映像やバイタルデータを伝送。医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」を活用して、専門医のコンサルテーションによる遠隔医療の高度化を検証する。

実証内容2のイメージ

実証内容2のイメージ

本実証は2023年12月から2024年2月に実施。成果をもとに令和6年度以降、徳島県内の救急・医療機関へキャリア5Gとローカル5Gをかけ合わせた遠隔医療システムの実装をめざすという。

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