ネットワンがネットワークに特化した独自LLM「netone LLM」開発へ

ネットワンシステムズは2023年10月25日、独自LLM(大規模言語モデル)「netone LLM」の開発を開始したことを発表した。

開発の目的は、生成AI技術の社内活用による業務の効率化、品質向上、新たなビジネスモデル創出と顧客への価値提供の最大化としている。開発やトライアルを通じて得られた生成AI技術活用の知見を自社サービスに組み込み、サービス品質の向上やICTインフラの自律化、省人化、運用高度化を実現するという。

netone LLMの構成と利用例

netone LLMの構成と活用例

ネットワーク領域で培った様々なナレッジを取り込んだ生成AIチャット環境を整備し、エンジニア業務でトライアルを実施。技術ナレッジをデータソースとしたエンジニア向けQAチャット機能やドキュメントの作成支援、コンタクトセンター業務を支援するチャット機能を開発して、トライアルを実施した。

その結果、生成AIチャットでのナレッジ活用で、エンジニア業務の内容によっては約50%の工数削減と、業務の品質向上につながることが確認できたという。今後は、エンジニアだけではなく全社的に利用できる環境を準備し、コーポレート部門においても活用を進める。

また、生成AI技術活用をテーマとしたアイデアソンやハッカソンの開催、勉強会や安全に活用するための利用ガイドラインの整備によって、生成AI技術の利活用にチャレンジする風土を社内で醸成し、全社の業務品質向上を目指すとしている。カスタマーポータル「Growcx」での問い合わせ対応においても生成AI技術活用のトライアルを開始し、サービスの高度化に取り組む。

トライアル環境はクラウドサービスを利用し、General Purpose GPTをベースに開発した。ネットワーク設計ノウハウ、トラブルシューティングノウハウなど機密性の高い情報についてはクラウドサービスの利用が難しいため、自社内にGPUリソース、ネットワーク、ストレージ、AIソフトウェアで構成される生成AI基盤を構築。LLM検証やモデル開発を通じて社内でのみ利用可能な、独自LLM「netone LLM」の開発を行い、専門分野での利用用途に向けたDomain Specific GPTとして活用することを予定している。

また、ネットワンの取引ベンダー各社においても、Domain Specific LLMの開発、製品やサービスへの導入が進んでおり、それらベンダーLLMとnetone LLMの連携も視野に入れているという。netone LLM開発後は、より高度な技術力や知見が求められるコンサルティングサービス、マネージドサービスなどの分野に技術リソースを投入し、さらなる事業成長を目指すとしている。

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