スマートフォンが“V字回復”を牽引 ―― IDCジャパンが国内製品別IT市場予測を発表

IDC Japanは2011年10月25日、2011~2015年の国内製品別IT市場予測を発表した。2011年の国内IT市場は、東日本大震災や超円高などの影響により、2010年に比べてマイナス1.6%。一方、2012年については財政支出の増加や復興需要を下支えに、前年比プラス2.8%の成長と同社は予測している。

IDC Japanの和田英穂氏(グループディレクター・ITスペンディング ソフトウェア&セキュリティ)

このV字回復の牽引要素はスマートフォンだ。IDC Japanの和田英穂氏(グループディレクター・ITスペンディング ソフトウェア&セキュリティ)は、「2011年の製品別の成長率をみると、ITサービス、ソフトウェアがマイナスだったのに対して、ハードウェアは予測と異なりプラスになった。要因は、スマートフォンとタブレットの急速な伸びだ」と話した。

【画像1】2011年製品別成長率の変化(1)

上の画像1は、その製品別成長率の変化を表したものだ。オレンジのバーは2011年8月時点のIDC Japanの予測であり、ITサービス、ソフトウェア、ハードウェアの3分野ともに2010年比でマイナスと予測。しかし、今回(赤:2011年10月)はハードウェアのみプラス成長に予測を修正した。さらに、ハードウェア分野をさらに細かく示したのが下の画像2。サーバーは3.5%、スマートフォンは35%、タブレットは110%のプラス成長となっている。なお、タブレットの伸び率が他に比べて大きいのは、2010年の市場規模が非常に小さいため。市場に与えるインパクトとしては「スマートフォンが非常に重要な要素になる」(和田氏)。

【画像2】2011年製品別成長率の変化(2)

次に、2012年の予測については、ITサービス、ソフトウェア、ハードウェアの3分野ともにプラス成長になるというのが同社の予測だ。「マイナスになるのはごく一部で、多くの製品分野でプラスになる。特にスマートフォンは二桁成長が期待できる」と和田氏。製品別の内訳を示したのが画像3で、薄いオレンジのバーがスマートフォンの割合を示している。スマートフォンの販売額と台数については、2010年は8858億円・2000万台、2011年は1兆1915億円・2700万台、2012年は1兆4013億円・3200万台になるという。

【画像3】2010~2012年 国内製品別IT市場予測

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