レノボ・ジャパンは2011年8月2日、2つのAndroid 3.1搭載タブレット端末を発表した。1つはコンシューマー向けの「IdeaPad Tablet K1」。もう1つは企業向けに特化した「ThinkPad Tablet」である。この記事ではThinkPad Tabletについてレポートしていく。
レノボ・ジャパンの企業向けAndroid搭載タブレット「ThinkPad Tablet」 |
iPadの成功以来、数々のタブレット端末が登場しているが、そのほとんどはコンシューマー向け。企業ユースにターゲットを絞ったタブレットというと、シスコシステムズの「Cisco Cius」とRIMの「BlackBerry PlayBook」くらいである。どちらも日本ではまだ発売されておらず、ThinkPad Tabletは現時点ではユニークなポジションにあるAndroidタブレットと言えるだろう。
プロセッサはNVIDIA社の「Tegra 2」で、フラッシュメモリ容量は16/32/64GBの3モデル。また、ディスプレイは10.1型ワイドIPS液晶で、さらに耐傷性にきわめて優れているというコーニング社の保護ガラス「Gorilla Glass」を採用する |
ポート類の無効化やSDカードの暗号化に対応
企業向けということで、ThinkPad Tabletはコンシューマー向けにはない特徴をいくつも備えているが、レノボ・ジャパン製品事業部プロダクトマネージャー ThinkPad製品担当の土居憲太郎氏は「セキュリティ」「運用管理」「豊富な周辺機器」の3つに整理して説明した。
まずセキュリティだが、ThinkPad Tabletではポート類を無効化できるようになっている。データ漏洩を防ぐため、ノートPCなどのポート類を無効化している企業は少なくないが、同様のセキュリティポリシーを適用できる。また、本体およびSDカード内のユーザーデータを暗号化することも可能。さらにマカフィーのマルウェア対策アプリ「McAfee Mobile Security」をプリインストールする。ちなみに、ThinkPad TabletのSDカードスロットはmicroSDではなくフルSDとなっている。
運用管理面では、Wi-Fi設定のインポート/エクスポートが行え、全端末共通の設定を適用可能。VPNについてはシスコおよびジュニパーのVPN機器にも対応している。また、マイクロソフトのActive Directory、Exchange ActiveSync、System Center Configuration Managerとも連携できるという。さらに、企業向けのアプリケーションストア機能「Corporate App Shop」の提供も今年10~12月に開始する予定とのこと。
周辺機器については、ペン入力が可能になる「Tabletペン」、オプティカルトラックポイント付きのキーボード「キーボード・フォリオ・ケース」、充電時間を半分以下にできるという「Tabletドック」の3つを用意。なお、Tabletペンは、32GBモデルと64GBモデルには標準搭載される。
オプションのキーボードを装着した状態のThinkPad Tablet。キーボードにはThinkPadの象徴の1つであるトラックパッドも付いている(ただし光学式) |