KDDI、AIによる通信障害対策と生成AIのビジネス活用を宣言

6月21日に開催されたKDDIの株主総会のキーワードは「AI」だ。通信基盤強靱化にAIを活用し、データドリブンの障害対策を行う。また、今年5月に社内利用を開始した生成系AI「KDDI AI-Chat」は1万人の社員が利用。ユースケースを積み上げ、個人・法人問わずビジネス展開に取り組むという。

KDDIは2023年6月21日、東京・品川プリンスホテルで第39期定時株主総会を開催した。昨年より打ち出している「KDDI VISION 2030」に基づき、「サテライトグロース戦略」と非財務の経営基盤強化により、企業価値の向上と社会の持続的成長の循環を目指すことをあらためて提示した。

株主の質問に答えるKDDI 代表取締役社長の高橋誠氏

株主の質問に答えるKDDI 代表取締役社長の高橋誠氏

通信基盤強靱化に向け500億円追加投資

サテライトグロース戦略は、5G通信を中心に、DX、金融、LX(Life Transdormation)、エネルギー、CATV等による地域共創の5つの注力領域からなる(参考記事:KDDIが決算発表 過去最高益更新、通信ARPU反転で来期も増収増益へ|BUSINESS NETWORK)。

このうち5G通信では、昨年7月2日の大規模通信障害を受け、KDDI 代表取締役社長の高橋誠氏は、通信ネットワークの安定化とお客様目線での対応強化により通信基盤の強靱化への取り組みを着実に実施すると宣言した。これに対して中期500億円規模の追加投資等を行い、スマート監視とAIによる対応の迅速化と副回線サービスによる他社との協調を取り組みの2本柱とする。

通信障害対策の6つの観点。右上はKDDI 執行役員常務 CFOの最勝寺奈苗氏

通信障害対策の6つの観点。右上はKDDI 執行役員常務 CFOの最勝寺奈苗氏

通信障害への対策については事前に多くの株主から質問が寄せられた。同社執行役員常務 CFOの最勝寺奈苗氏は、質問に回答する形で、まず作業手順・基準の改善、輻輳状態からの早期復旧手段確立などの6つの観点から対策を実施していると述べた。また、投資の前倒しを行いコア設備の仮想化基盤への早期移行により運用自動化と輻輳制御の強化を図ることと、DXを活用したデータドリブンの運用強化によって異常検知および復旧対応の迅速化を行うことも続けて示した。

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