<特集>動くIoT5G活用で広がるドローンの産業用途 「足」「目」に加えて「手」の役割も

高齢化により人手不足が深刻化するなか、様々な産業でドローンが人間の作業を代替する動きが活性化している。5G利用や機体の大型化により、新たな用途開拓も進むドローンの産業用途の将来を展望する。

ここ数年、航空法や電波法の規制緩和により、ドローンの利用シーンが拡大してきた。なかでも上空でのLTE利用が認められたことで、目視外での長距離飛行が可能となり、離島や過疎地域におけるドローン配送の活用に弾みがついている(図表1)。

図表1 ドローンに関わる法規制緩和の状況

図表1 ドローンに関わる法規制緩和の状況

そらいいなは、豊田通商の100%子会社。長崎県五島列島で、ドローンによる医療用医薬品や食料、日用品の配送サービスを行っている。

このうち医薬品については、五島列島南端に近い福江島中心部から、奈留島、福江島内の三井楽、新上五島町の有川などまで、海上約20~70kmのルートを飛行する。

同社が配送に使用しているドローンは、米ジップラインの固定翼型だ。自律飛行により半径約80kmの範囲内に荷物を搬送し、目的地でパラシュートを使って荷物を投下した後、無着陸で拠点に戻ってくることができる。

配送サービスに使われるドローンは比較的広範囲を飛行するため、通信にはLTEを使用している。同社 代表取締役の松山ミッシェル実香氏は「地上の利用者に向けて整備されている通信規格なので、当初は海上上空でどれだけの電波強度が得られるか未知数だった」と振り返る。

そこで事前に飛行経路位置を想定し、ドローンが飛行する高度の電波強度を、測定用機器を積んだドローンを飛行させて実測。電波強度が得られることを確認のうえ飛行経路の設定を行っている。

さらに、万が一LTEがつながらなくなった場合を想定し、ドローンには衛星通信機器も搭載しているが、2022年1月から累積570回を超える飛行において、途中で通信が途切れたことは一度もないという。

そらいいな 代表取締役 松山ミッシェル実香氏

そらいいな 代表取締役 松山ミッシェル実香氏

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