生成系AIで「スマート自治体」サービス
2つめの課題は、窓口で行う事務の制度・仕組みが年々多様化、複雑化している点だ。そこで、「生成系AIを活用して、スマート自治体を実現する」(森林氏)。
具体的には、ChatGPT等を利用したAIモデルを容易にアプリケーションへ組み込むことができる「Azure OpenAI Service」を活用。アプリケーションベンダーとも協力して、住民からの多様かつ複雑な問い合わせに対応するスマート自治体サービスを実現するため、コンサルティングから導入、サポートまでパッケージとして提供する。
スマート自治体サービスの提供
日本マイクロソフトの津坂美樹社長は「生成系AIを使いたいという声は、自治体からももらっている」と話し、関心の大きさを強調。活用の方向性については、下図表のように多様な領域が考えられるとし、自治体の状況や要望に応じてサービス開発に取り組む姿勢を示した。
自治体における生成系AI活用の方向性
自治体業務BPOをマイクロソフトが技術支援
3つめとして、自治体業務のBPOサービスを提供する。NTT西日本のフロント業務・バックオフィス業務の体制を使って自治体からBPOを受託。これにより、自治体職員が相談業務等の高度な行政サービスに集中できる環境を実現するのが狙いだ。
自治体業務のBPO支援
これに関しても、「マイクロソフトの生成系AIやローコードツールを取り入れて、より高度なBPOサービスを実現したい」と森林氏。日本マイクロソフトが「NTT西日本に対してクラウド技術の支援や、Azure資格取得のサポートなど」(津坂氏)を行う。
最後の4つめは、デジタル人材の育成支援だ。全職員を対象とした基礎研修、管理職・現場リーダーを対象とする実践研修を実施。また、各種の専門領域に長けた外部人材の活用もサポートする。
デジタル人材の育成支援
森林氏は今回の協業で「最低でも5年間500億円」の売上を目指す。西日本エリアの全自治体915のうち、「最低でも250に使っていただけるようにしていきたい」と展望した。