NTTドコモは2011年4月28日、2010年度決算を発表した。通期の営業収益は前年度比1.4%減の4兆2243億円、営業利益は同1.3%増の8447億円と減収増益となった。
NTTドコモの山田隆持社長 |
バリュープランによる影響などで音声収入が1983億円減少。また、売れ筋であるスマートフォンや携帯電話のSTYLEシリーズの1台あたりの端末価格が安いことから、端末販売収入は301億円減少した。一方、パケット収入は前年度から1060億円増の1兆6949億円となった。シニア層向けのケータイ教室などの効果によりiモードの利用が増えており、今年度のパケットARPU増加分の半分近くをiモードが占めるという。
2010年度通期の総販売数は、前年度比5.6%増の1906万台で、このうちスマートフォンは当初の目標を大きく上回る252万台となった。
2011年度は、営業収益が0.1%増の4兆2300億円、営業利益が0.6%増の8500億円を予想する。東日本大震災の影響がなければ、営業利益は8700億円になるという。
ドコモでは2011年度のスマートフォンの目標販売数を600万台としている。新規機種の半数以上がスマートフォンになるほか、携帯電話で人気のサービスをスマートフォンに対応させる。さらにデサインやカラーバリエーションを拡充したり、使い勝手のよいインターフェースを提供することで、女性や40歳以上の世代の利用者を拡大する。600万台のうち約85万台はタブレット端末で、主に法人向けに展開するという。スマートフォンの台数増はパケットARPU増にも貢献し、2011年度は約1400億円増の1兆8300億円を見込んでいる。
スマートフォン市場が急速に拡大したことで、スマートフォン専門のコールセンター「ドコモスマートフォンケア」になかなかつながらないといった問題も起きている。山田隆持社長は「スマートフォンユーザーの満足度向上も図ることで、全体として顧客満足度1位を(2010年度に続いて)継続させたい」と語った。そのために、社内体制などをスマートxフオン主軸に移行させるという。