NTTドコモは2022年9月28日、XR事業を推進する新会社「NTTコノキュー」が10月1日より事業を開始すると発表した。
コノキューは、ドコモの100%子会社として6月1日に設立された。資産予定規模は600億円、従業員は約200名。代表取締役社長には、今年6月までドコモ副社長を務めていた丸山誠治氏が就任する。
NTTコノキューの丸山誠治社長
NTTグループは今年3月、XRサービスブランドとして「NTT XR(Extended Reality)」を立ち上げ、XR関連サービスを提供してきた。このNTT XRをはじめ、グループ各社のXR事業をコノキューに集約するとともに、営業体制や顧客基盤、技術開発などグループ一体で取り組む。「新会社を通じて、XR新時代を築いていきたい」と丸山社長は意気込みを語った。
コノキューでは、メタバース、デジタルツイン、XRデバイスの3つを事業の柱に、コンシューマーおよび法人向けに様々なサービスやソリューションを提供する。
メタバースなど3つの事業を柱とする
メタバース事業については、バーチャル空間でのアバターを介した体験やコミュニケーションを可能にする「XR World」を現在の音楽中心から、今後はスポーツやコマース、教育など様々なジャンルのパートナー企業と連携し、体験価値の拡充を図る。
デジタルツイン事業については、スマートフォンをかざすと、そのエリアに関連したARコンテンツが表示され、回遊促進や店舗誘客につなげる「XR City」の対応エリアを順次拡充する。
対応エリアは順次拡大する
さらに、XRデバイスの開発も手掛けるが、丸山社長はその理由を「コンテンツやサービスをより魅力的にし、お客様の体験価値を最大化するため」と説明した。
XRデバイスの開発も手掛ける
コノキューでは、NTT XRで培ったノウハウやソリューションを結集し、製造や観光、医療など様々な業界・業種の業務変革もサポートする。その第1弾として、オフィスや学校と自宅をつなぐ仮想オフィス/教室の提供に向けて準備を進めている。また、NTT XRを軸に、NTT東日本/西日本やNTTデータなどグループ一体となり、全国の法人ユーザーをワンストップで支援する。
全国の法人ユーザーをグループでワンストップサポートする
将来の取り組みとして、2025年に開催される大阪・関西万博では、オンライン空間上に夢洲会場を3DCGで再現し、どこからでも参加できる「バーチャル万博」の実現も目指している。
また、国内だけでなく、海外展開も視野に入れているという。