【MWC2011から見えたもの】スマートフォン/タブレットで始まるモバイル新時代

スペインのバルセロナで開催された「Mobile World Congress 2011」(MWC2011)では、どんなトレンドが見えてきたのか。主要トピックを総ざらいする。

ドコモ、NEC、富士通などが出展

日本メーカーは昨年出展していたパナソニック、東芝が取りやめ、富士通が初めて出展した。ドコモ、NECはホール8のセンターに近い場所で存在感を示した。ドコモは国内端末を展示すると同時に、各種新技術を展示、人気を呼んだ。また、LTEの低遅延を生かす国際同時翻訳サービスは、話した言葉が同時に、スマートフォンに日本語/英語に表示されるデモで話題を呼んだ。電子決済の国際規格NFC搭載のアナウンスも話題を呼んだ。

ドコモの山田社長は2日目のキーノートに登壇した。ドコモが取り組むM2M事業を中心に講演し、日産との提携や自動販売機などのM2Mの成功例を紹介し関心を呼んだ。

NTTドコモの山田社長
NTTドコモの山田社長

NECは、海外キャリア向けのインフラ装置と同時に、自動車向け情報サービスなどのデモを行った。また、タブレットを同時に3タイプ展示してこの分野への意欲を示した。特に初めて披露した2面ディスプレイのタブレットは左に患者データ、右に病理解析画像を表示するなどクラウド端末の実用性の例を示した。

NECの2面ディスプレイタブレット
NECの2面ディスプレイ搭載タブレット

富士通は、独自のガラス塔を外部コンコースに立て、海外市場への意気込みを示した。得意の防水ケータイ、防水スマートフォンを実演、また高速レーシングカーでもクリアなボイスが聞けるデモのため、実物を持ち込みアピールした。

富士通のガラス塔
富士通のガラス塔

また、エイビット、アルチザは、LTEの基地局-端末負荷シミュレーターを展示、海外市場への意気込みを示した。日立製作所は3スクリーンで動画を継続して続きから見られるシステムを展示した。

国内コンテンツプロバイダーの海外進出という点では、モバイルコンテンツ団体MCFがJETROの支援の下で初めてジャパンパビリオンを出展した。すでにNTTソルマーレなどの成功例があるが、いずれも高い関心を呼び、コンテンツプロバイダーの海外進出への一歩を踏み出した。実際多くの商談が行われたという。

日本には、グローバルで戦える企業組織力を養いビジネス提携も含めて海外勢に伍していくこと、日本が進んでいるコンテンツや産業応用などのパワーをグローバル市場に積極的に推進していくという取り組みが求められている。

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