NECがワイヤレスブロードバンド事業説明会を開催――LTE基地局の生産ラインも公開

NECは2011年1月20日、同社のワイヤレスブロードバンド事業に関する説明会をNECワイヤレスネットワークス本社(福島県福島市)で開催した。

NECのワイヤレスブロードバンド事業は、通信事業者向けに製品・システム・サービスを提供する「キャリアネットワーク事業」の事業領域の1つという位置づけであり、LTEやフェムトセル、WiMAXなどの「ワイヤレスブロードバンドアクセス」と、超小型マイクロ波通信システム「パソリンク」などの「モバイルバックホール」の2分野からなる。

ワイヤレスブロードバンド事業は、キャリアネットワーク事業領域の1つに位置づけられている

NECでは中期経営計画「V2012」の中で、2012年度にキャリアネットワーク事業の売上高9000億円、営業利益率9%を目標に掲げている。そのうちワイヤレスブロードバンド事業は売上高2500億円を目指しているという。

携帯電話市場ではスマートフォンやタブレット端末が急速に普及しているのに合わせて動画などのリッチコンテンツの利用が増えており、トラフィックが急増している。NEC執行役員ネットワークプラットフォーム事業本部長の手島俊一郎氏は「ワイヤレスアクセスの高度化やユーザービリティの改善などが求められており、NECにとって追い風が吹いている」と話す。

NEC執行役員ネットワークプラットフォーム事業本部長の手島俊一郎氏

LTEは、70カ国180社の通信事業者が導入を検討しているほか、52カ国128社が商用開始を表明。そのうち64社が2012年までに商用サービスを開始する予定だ。NECは、国内でNTTドコモのLTEサービス「Xi」向けに基地局やコアネットワークシステムなどを納入している。「世界のトップグループとして開発を進め、ドコモのXiで実績を作ったうえで、グローバルにも展開したい」(手島氏)という。

LTE製品は、マクロセルの分離型とスモールセルの一体型を展開する

LTEなどのモバイルブロードバンドサービスでは、半径500m~数kmのマクロ展開に加えて、半径200m以内のスモールセルソリューションを提供する。セルを小さくし、セル内の端末数を少なくすることで、端末1台当たりのデータ通信速度がより高速化する。また、同一周波数を繰り返し使用するので、周波数利用効率も向上する。このようにLTEの高速性をより発揮できるため、海外の都市部やデータ密集地域ではスモールセルを展開していく。

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