商用SONiCという選択肢 品質を高め、サポートも提供
オープンネットワーキング実現のためSONiCに期待が集まる一方で、OSSの採用は障害の多さや、いざという時の対応手段がベンダー製品と比べて課題になりがちである。
そこでAPRESIAでは「Enterprise SONiC Distribution by Edgecore Networks(以降、EC SONiC)」を提供する。これは台湾のEdgecore NetworksがカスタマイズしたSONiCを、Microsoftからの公認を受けたうえで提供する商用ディストリビューションだ。
EC SONiCの特長について、岸本氏は次のように紹介する。「CommunityのSONiCの機能性・運用操作性を維持したまま、バグフィックスや機能拡張をEdgecore社が実施した、拡張性および信頼性の高いネットワークOSです」。
商用SONiCには複数の選択肢があり、自社開発CLIとの統合運用などを強みとしているベンダーもあるが、EC SONiCはOSSとしての強みを尊重しながら、品質向上に注力している点が強みだ。
EC SONiCの導入・運用にあたってはAPRESIAがサポートする。APRESIAはそもそもL2/L3スイッチやローカル5G用無線基地局、光伝送装置などのメーカーとしての知名度が高い企業で、「スイッチメーカーとしての知見から技術強化ができます。例えばユーザーの実環境に近い状態で事前検証し、先行してバグを発見、つぶしていきます。SONiCのソースコードを実際に解読し、Edgecore Networksとコードレベルで議論できる点は他社にない強みだと自負しています」と岸本氏は胸を張る。EC SONiCは機能拡張などを行うたびにEdgecore社とAPRESIAのダブルチェックをしたうえでユーザーに提供されるため、高い信頼性を誇るという。
同社はサポートについても、各種デモンストレーション、オープンラボ設備での検証、機器貸出、ハンズオントレーニング(有償)などを取りそろえている。「充実したPoCを事前に行うことが可能です。最近も、とある国内の大手クラウドサービスプロパイダ—からベンダーロックインからの脱却のためにEC SONiCを活用したいという話を頂き、約1年間のPoCを経て現在導入が進んでいる段階です」(高橋氏)。
まとめると、EC SONiCを提供するAPRESIAの強みはハードウェア、ソフトウェア、プログラマブルデバイス全てを開発できる自社技術チームを有していること。そして国内での多数の実績を持つことだ。そのため、ユーザーが求める品質や要件などを把握しており、かゆいところまでサポートできる(図表2)。OSSの良さと、充実したサポートの両立による恩恵を受けられるはずだ。
図表2 Open Networkの課題とAPRESIAの強み
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