<連載>光トランシーバーと光伝送技術を徹底解剖第3回 事例で学ぶ100G光伝送トラブル解決

インフラネットワークの構築においては、接続トラブル等の問題がしばしば発生します。頭の痛い問題ですが、起きてしまった時には早急に解決することが求められます。光伝送に関連する問題だった場合には、原因として考えられるネットワーク装置、光トランシーバー、光ファイバーケーブルやコネクタなどを調べて切り分けをしていきます。今回はより実践的な内容として、トラブルシューティングの例を紹介します。

今回は、100G光伝送で接続トラブルが発生したお客様の案件で、ネットワーク装置と光トランシーバーの組み合わせに原因があることを突き止めた事例を紹介します。

マクニカ クラビス カンパニー 技術統括部 阿部野 一郎氏
マクニカ クラビス カンパニー 技術統括部 阿部野 一郎氏

特定ポートでリンクアップしない数年前に、あるお客様から「100G光伝送の接続がうまくいかない(リンクアップしない)ことがある」という報告を受けました。

このお客様は、弊社が販売している100G CWDM4光トランシーバーを検討されているところで、使っている光トランシーバーに問題があるのではないかということで相談がきたのです。現地に出向いて調べてみると、確かにリンクアップがうまくいかないことがあるという現象を確認できました。

まずは問題の切り分けです。

異なる機種の100G CWDM4光トランシーバーで試してみたところ、問題なくリンクアップすることが分かりました。光トランシーバーの機種に依存性がありそうです。

一方、ネットワーク装置側に着目すると、リンクアップ不良が起こりやすいポートと起こりにくいポートがあることも分かりました。これはポートの依存性ですね。また、違う機種のネットワーク装置では、どのポートでも問題なくリンクアップすることが確認できました。ネットワーク装置の機種にも依存性がありそうです。

以上のことから、お客様が使っている光トランシーバーとネットワーク装置の組み合わせにおいて、特定のポートで問題が発生しやすいことが分かりました。

月刊テレコミュニケーション2021年11月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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阿部野 一郎(あべの・いちろう)氏

株式会社マクニカ クラビスカンパニー 技術統括部 技術5部に所属。長年、ワイヤレス・無線通信に関連する半導体デバイスのFAE(Field Application Engineer)に従事し、新たに光トランシーバーや光計測機器の技術サポートに活動を拡げる

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