クラウド管理型ネットワークの選び方 無線LAN~IoT、セキュリティまで範囲拡大

現地に行かず、遠隔からネットワーク機器の状態把握、変更等ができるクラウド管理型ネットワークソリューションが注目されている。IoT機器やセキュリティ等管理対象も拡大傾向だ。最新動向や選び方を解説する。

クラウド管理型ネットワークとは複数の拠点や店舗のネットワークを遠隔から管理したいというニーズが増える中、クラウド管理型ネットワークソリューションを採用する企業が増えている。

クラウド管理型ネットワークソリューションとは、自社ネットワークの“外”にあるクラウド上に置かれた管理プラットフォームを用いて、ネットワーク機器の管理やネットワーク制御を実現するもの。ネットワーク管理システム自体は昔から存在していたが、オンプレミスのシステムを企業ごとに導入する必要があり、大きな手間と費用が必要な点がネックだった。それがクラウドサービスとなったことで、手軽かつコストを抑えて利用できるようになった。遠隔地の拠点でも、インターネットさえつながっていれば管理可能だ。

IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏が、クラウド管理型の市場は「無線LANアクセスポイントが中心になっている」と言うように、無線LANアクセスポイントの遠隔管理が今も中核だが、スイッチやルーター、セキュリティゲートウェイなどへも管理対象は広がりつつある。

IDC Japan コミュニケーションズグループ マネージャー 草野賢一氏
IDC Japan コミュニケーションズグループ マネージャー 草野賢一氏

企業向け無線LANアクセスポイント市場全体から見ると、クラウド管理型を購入しているのは2割ほどで、主に中小企業での利用が多いという。

「これまで長くオンプレの大規模なネットワーク管理システムや無線LANコントローラーを使ってきた大企業は、リプレースの時も同じような形態で導入するケースが多いと聞く。そうした企業は今後もあまり変わらないかもしれない。しかし、無線LANに関しては新規の導入や増設するケースも多いので、代替わりの際に増えたアクセスポイントをきちんと管理したいとなれば、クラウド管理型に移るケースも少なからず出てくるのではないかと見ている」と草野氏は話す。

また、2020年はGIGAスクール向けの特需もあった。複数の学校の無線LANを管理するSIerはもちろん、学校の教員がアクセスポイントの状態を見るなど多少は運用管理のような作業が求められるケースもある。そのインターネットにさえ繋がれば、GUIから確認できるクラウド管理型の強みが活きることになった。

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月刊テレコミュニケーション2021年11月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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