コロナで加速するクラウドPBX導入 ハイブリッドワークで変わる「電話」

新型コロナウイルスで働き方が変化するなか、固定電話の見直しを図る企業が急増している。オフィスと自宅の「ハイブリッドワーク」時代を迎え、FMC対応クラウドPBXの導入が加速しているのだ。

今夏以降、オフィスの固定電話を見直す動きが企業の間で広がっている。

背景にあるのが、新型コロナウイルスだ。感染拡大とそれに伴う4月の緊急事態宣言を受けて、多くの企業がリモートワークの導入に踏み切った。

メンバーが異なる場所で働く環境下で真っ先に課題となったのがコミュニケーションの停滞であり、Web会議システムやビジネスチャットを新たに導入した企業は多い。

その一方、「代表電話への対応や電話の取り次ぎのためだけに、感染リスクを冒して出社しなければならない」という課題は浮き彫りとなっていたものの、置き去りにされたのがオフィスの固定電話だった。しかし、リモートワークが長期化するにつれて、いよいよ固定電話の見直しも本格化してきた。

リモートワークの拡大によって増えたのは、Web会議やチャットによるコミュニケーションだけではない。J.D.パワージャパンが10月に発表した「2020年法人向けIP電話・直収電話サービス顧客満足度調査」によると、電話についても社内間のやり取りで約3割、社外間で約2割増えている。また、テレワーク等における電話環境で今後導入したいこととして、「代表番号にかかってきた着信の転送」と「社員間の内線番号を使用した発着信」の2項目に最も多くの回答が集まったという(図表1)。

図表1 テレワーク等における電話環境で今後導入したいこと

図表1 テレワーク等における電話環境で今後導入したいこと

リモートワークにおける固定電話の課題を解決する一番簡単な方法が、会社宛てにかかってきた電話を担当者の携帯電話に転送するサービスへの加入だ。しかし、勤務時間中は電話対応に追われて他の業務に支障を来たすほか、電話を折り返す際に担当者の番号から発信することになり、その通信料を個人が負担するといった問題がある。

そこでPBXをクラウド化し、クラウド上のサーバーから電話機能を提供することで、スマートフォンで定額内線通話を行えるFMC対応クラウドPBXの導入を検討する企業が増えている。

月刊テレコミュニケーション2020年12月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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