Juniper Virtual Summit for Japan 講演レポートこれからのネットワーク運用になぜAIが必要なのか

ジュニパーネットワークスは2020年12月3日(木)、自社の主催バーチャルイベント「Juniper Virtual Summit for Japan」を開催した。同イベントにおける大きなテーマの1つが、AIによるネットワーク運用の自動化だ。関連セッションの内容から、「なぜAI・自動化が必要なのか」「どのように実現されるのか」を解説する。

Juniper Virtual Summit for Japanの開催にあたり、ジュニパーネットワークス株式会社代表取締役社長の古屋知弘氏は2020年の同社の取り組みについて説明した。フォーカスポイントは次の3点だ。

1つめは、AIドリブンエンタープライズの推進である。ジュニパーは従来から、ネットワーク運用の省力化・自動化にAIを活用する取り組みを進めている。「2020年は次世代のエンタープライズネットワークを構築するため、AIを有線/無線、WANに統合した」(古屋氏)。

2つめには、400Gイーサネットの推進とBeyond 5Gの取り組みを挙げた。超高速通信を実現する400G専用チップを自社開発。Beyond 5Gの取り組みとしては「セキュアIPトランスポート、エッジクラウド、O-RAN、コンテナ化などの取り組みを進めている」。3つめはコネクテッドセキュリティだ。ゼロトラストを前提としたセキュリティソリューションを拡充した。

古屋氏によれば、ジュニパーのこれらの取り組みは第三者機関から高い評価を得ているという。例えば、ガートナーからは「Wired & Wireless LAN Access Infrastructure」で最上位のリーダーに選出されている。


2020年ジュニパーネットワークスの取り組み

このうち、1つめに挙げられた「AIドリブンエンタープライズ」は、企業のネットワークをどう変えるのか。

「これからのエンタープライズネットワークが目指す姿」と題した講演で、ジュニパーネットワークスの和久利智丈氏は「ユーザー視点のネットワーク提供」の重要性を指摘した。企業のIT/ネットワーク管理者には、ユーザーが快適にネットワークを使えているか、という視点でネットワークを設計・構築、運用することが求められるが、その品質管理の大前提が変わってきているという。

ユーザーに言われて気づくのでは遅い
従来の運用管理は基本的に、「ネットワークがつながらない、遅い」といった障害が発生していなければよしとしていた。だが、ユーザーエクスペリエンス(UX)こそが重視される現在は、それでは不十分だ。ユーザー目線でよい体感が常に提供されているかを監視し、それが損なわれないよう迅速かつ的確に対応しなければならない。「ユーザーから問い合わせを受けてから不具合に気づくのでは遅すぎる。プロアクティブな異常検知・復旧が必要」(和久利氏)だ。


ユーザー視点のネットワーク提供には、
障害の有無や稼働率といった従来の指標とは異なる観点での管理が求められる

しかも、これをより効率的に実現する必要がある。IT部門の業務負荷を軽減し、さらに属人化の解消も求められる。

こうした課題を解消するのに有効なのが、AIによる運用自動化だ。ジュニパーは従来から「Self-Driving Network(自動運転型ネットワーク)」を提唱し、関連技術・ソリューションの開発を進めてきた。和久利氏によれば、「自動化のための環境整備、技術はすでに準備済み。自動化は簡単にできる時代になっている」という。

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