導入・選定ガイド

クラウド接続の選び方 インターネットVPNと閉域接続は何が違う?

文◎坪田弘樹(編集部) 2020.02.19

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

クラウド利用の快適性や安全性は、拠点とクラウドをつなぐネットワークの作り方にも大きく影響される。接続形態ごとのメリット/デメリットと、失敗しないための選び方を整理しよう。

 
従来はオンプレミス環境で運用していた業務システム等を、パブリッククラウドのIaaSへ移行する企業が増えている。この場合、ハイブリッドクラウド環境を実現するためにパブリッククラウドの仮想プライベート空間をオンプレミス環境と接続する方法は大きく2種類に分かれる(図表1)。

 

図表1 インターネットVPNと閉域接続
図表1 インターネットVPNと閉域接続


1つが、インターネットを経由してIPsec/SSL-VPNでセキュリティを確保する「インターネットVPN」。もう1つが、インターネットを経由せずに、通信事業者やデータセンター事業者の設備のみを経由してアクセスする閉域ネットワーク接続(以下、閉域接続)だ。

このクラウドとオンプレミスをつなぐネットワークをどのように設計するかによって、クラウド利用の快適性や安定性は大きく左右される。以下、インターネットVPNと閉域接続のメリット/デメリットを整理していこう。

インターネットVPNは、オンプレミス環境の物理ルーターと、クラウド事業者が提供する仮想ゲートウェイ機能との間をVPNトンネルで結ぶ。AWSはVirtual Private Gateway、Microsoft AzureにおいてはVPN Gateway、GCPではCloud VPNと、各クラウドサービスでVPN接続するための仮想ゲートウェイ機能が提供されている。それぞれ帯域や接続数の上限、通信量やリソースに応じた料金・課金方法が異なる。

例えばAzureでは、帯域上限を100Mbps/650Mbps/1Gbps/1.2Gbps/5Gbps/10Gbpsから選択でき、接続数上限も10または30が選べる。通信量に応じた月額料金は、最初の5GBまでが無料で、10TBまでが1GB当たり9.744円などと設定されている(すべて2019年12月16日時点。以下同じ)。

2種類ある閉域接続の構成閉域接続は、エクイニクスやアット東京が運営する相互接続データセンター内のダイレクト接続ポイントにおいて、ユーザー企業の設備または通信事業者等のパートナーの設備をクラウドと直接つなぐ。図表2がそのイメージだ。

この接続形態にも2つのパターンがある。

1つが、ユーザー企業が相互接続データセンターにルーターを持ち込み、クラウドに直結する「専用接続」(図表2の上側)だ。

この形態では、クラウド事業者が設定する接続帯域(図表2のDirect Connect - ルーター間。AWSの場合は1Gbpsまたは10Gbps)を占有できる。料金と課金方法はクラウド事業者によって異なり、例えばAWSの場合は、ポート料金として時間当たりの料金とデータ転送料がかかる。

 

図表2 閉域接続のイメージ(AWSの場合)[画像をクリックで拡大]
図表2 閉域接続のイメージ(AWSの場合)


もう1つが、通信事業者やデータセンター事業者等のパートナー(AWS Direct Connectパートナー等)を経由する「論理接続」である。パートナーのルーターとクラウドが直接つながり、その帯域を複数ユーザーに対して論理的に分けて提供する。

専用接続はAWSやGCP等で、論理接続はAzureも含めたより多くのクラウドで利用可能だ。

論理接続のメリットは、専用接続のように自前でルーターの準備や運用を行う必要がないことだ。また、専用接続に比べて接続帯域のメニューが豊富なため、用途に応じて柔軟に選択することができる。トラフィック量の増減にも対応しやすい。ユーザーは、図表2のDirect Connect - ルーター間の接続帯域を50Mbps~10Gbpsの間で選ぶことができる。こちらも、帯域に応じた接続料金とデータ転送量に応じた料金がかかる。

通信事業者は、IP-VPNや広域イーサネット等のWANサービスのオプションとして、この論理接続を利用した閉域接続サービスを提供している。NTTコミュニケーションズの「Arcstar Universal One」や、KDDIの「KDDI Wide Area Virtual Switch2」、ソフトバンクの「Smart VPN」などだ。

また、NTT東日本もフレッツ光ネクスト、フレッツVPN経由でAWS等のクラウドに閉域接続できる「クラウドゲートウェイ」サービスを提供している。既存のWANやアクセス回線を変更することなく、容易に閉域接続が利用できる。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

リコー2005
kccs2005
marubun2005

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】ローカル5G 中間報告

●先行5事例で見えてきた期待と課題 ●日本と違う独ローカル5GNTT東西のローカル5G ●ローカル5G制度の最新動向 ●ローカル5G普及を阻む4つの壁

[インタビュー]NICT ワイヤレスネットワーク総合研究センター長 寳迫巌氏「Society 5.0へ無線フル活用 テラヘルツ波は結構飛ぶ」 [ソリューション特集]ウェビナーに最適な配信サービスは?/セキュアテレワークの処方箋 【IoT×SDGs】Sigfoxで高齢化に負けない賃貸住宅 ほか

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

シスコシステムズいま知るべき5Gのセキュリティ脅威
大変革時代を「シスコはこう守る」

5G網は様々なサイバーリスクを内包する。シスコはどう対抗するのか。

パロアルトネットワークスSASE実現するクラウドセキュリティ
従業員は意識せず安全なテレワーク

GWの逼迫解消、ローカルブレイクアウト、ユーザーの快適さを一挙に!

Microsoft Teams会議から1万人の仮想イベントまで
コラボの場はリアルからTeamsへ

Microsoft Teamsの利用が急増中だ。
4月時点の利用者数は1日7500万人!

丸文ローカル5G“実用化”へ万全の備えを
試験・置局、セキュリティまで網羅

ローカル5Gには何が必要か。長年キャリアを支援する丸文に尋ねた。

インテルネットワーク変革をインテルが牽引
仮想化技術でローカル5Gにも貢献

インテルの5Gビジネスが加速してきた。ローカル5Gにも取り組む。

ライムライト・ネットワークス・ジャパン8K対応/安定性/超低遅延
選べる3つのライブ配信サービス

自社だけでは困難な高品質ライブ配信をライムライトが強力サポート!

クラウド&サービスプロバイダ向けのオンラインイベント「新たな時代に向けたネットワーク」通信事業者の新たな時代に向けた
ネットワーク「Telcoクラウド」

ジュニパーのクラウド&サービスプロバイダ向けバーチャルサミット!

e-Janネットワークス「明日からテレワーク」。そんな急なニーズにも安心・安全に応える

テレワークをすばやく全社展開できる「Splashtop for CACHATTO」

都築電気テレワークと健康経営の実践4年目
その知見をワンストップで提供

働き方改革を推進する都築電気がテレワークに最適なグループウェア!

アライドテレシスNWベンダーならではの脆弱性診断
セキュリティの第一歩はここから!

アライドテレシスなら簡単かつ安価に脆弱性診断ができる!

NTTコミュニケーションズ「ゼロトラストセキュリティ」へ
移行するための5つのポイント

脱・境界型セキュリティを図るための要点をNTT Comに聞いた。

IIJVPN逼迫やSaaSが遅い問題を解消!テレワーク環境整備を手軽に実現

Office 365等のSaaSが迫る企業NWの再設計にIIJのクラウドプロキシ!

ジュニパーネットワークスAIがUXを最大化するネットワーク
トラブル解決を自動運転で!

AIが自律的に障害対応するNWを
ジュニパーはすでに商用で安定稼働

レッドハット5G×コンテナ基盤×アプリを
エッジで自律運用

5G時代のNWインフラはエッジも自律運用できるクラウドネイティブへ

ゼットスケーラーゼットスケーラーだからできる!
セキュリティとNWの脱・レガシー

オンプレミス非依存のセキュリティと、場所に囚われないNWアクセスを

NetskopeなぜNetskopeならテレワークが進むのか? 秘訣は一元制御にあり!

セキュリティが不安でテレワークが進まない。そんな悩みを簡単解消!

シエナシエナが800G光伝送のトビラ開く
1波長で400Gイーサ×2chを伝送

「800ギガが欲しい」。キャリアやクラウド事業者の声にいち早く応えた

リコーの「ITKeeper Meraki スマートサービス」テレワークは安定した接続環境から

一人情シスでも安心! テレワークを支える安定したネットワーク環境整備をリコーが支援

SigfoxLPWAの先頭集団を行くSigfox
約85万件の大規模導入も!

人口カバー率95%を超えたSigfox。最大の導入事例がニチガスだ。

丸文5G時代の差別化戦略を下支え!

5G時代到来でキャリア、クラウド事業者等が迫られているネットワーク変革の課題解決に注力する丸文

ハイテクインター2.5GHz帯プライベートLTEの
基地局を「100万円以下」で!

ハイテクインターは自営等BWA導入の全ステップをサポート

マクニカネットワークス脱純正トランシーバーでコスト削減
データセンター100G化に新選択肢

サードパーティ製の光トランシーバーでコスト抑制と自由度向上!

ZETAアライアンス“ビジネスになるLPWA”に101社が結集 市場創出に挑むZETA

弾みが付いてきた新興のLPWA規格、ZETA。その可能性を探った。

ガスミエールLPWAで安価にガス事業の効率化!

アズビル金門の「ガスミエール」でLPガス事業の業務効率化!LTE-Mにより遠隔から遮断・復帰も!

ドコモ・システムズNTTグループ23万人を支える
テレワークツール

伝統的な日本企業が作ったツールだから、かゆい所に手が届く!

WhatsUp Goldネットワーク監視に圧倒的使い勝手
安価な導入コストでも厚い支持

中小企業から通信キャリアまで、WhatsUp Goldが人気の理由とは?

MOVEit Transfer / MOVEit Automationデータ保護新時代のファイル転送
HIPAA、GDPRなど各種規制に対応

主要データ保護規制に準拠した安全なファイル転送ソフトの決定版!

ジュニパーネットワークス“ただのSD-WAN”はもう要らない!
LANもWi-Fiもすべてクラウド管理へ

今必要とされているのは、“SD-WAN+α”のソリューションだ。

ホワイトペーパー

アクセスランキング

decode2
tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます