導入・選定ガイド

失敗しないISDN/PHS移行「用途に合わせて最適な選択肢を」

文◎村上麻里子(編集部) 2019.10.25

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ISDN/PHS終了を前に、マイグレーションの選択肢が広がっている。どれを選んでも同じというわけではない。用途によっては、移行方法が成否を分けることもある。

モバイルの世界では、約10年ごとに世代交代が繰り返されてきた。来春には5Gの商用サービスが始まる。2020年代の社会や産業に5Gがどのような変革をもたらすのか関心が集まっているが、そうしたなか、ソフトバンクは今年3月末にPHSのテレメタリングプランの新規受付を停止した。

法人市場ではエレベーターやガスメーターの遠隔監視などで今なお一定のユーザーを確保しているPHSだが、2023年3月末にはすべてのサービスが終了することになる。

一方、有線の世界でも2020年代は固定電話のIP網への移行という“一大イベント”が控えている。それに伴い、NTT東日本/西日本はISDN「INSネットディジタル通信モード」を2024年1月に終了する計画だ。

INSネットはATMやEDI(電子商取引)、POS(販売情報管理システム)など幅広い用途に活用されており、契約数は205万2662回線、このうち約9割が法人ユーザーとなっている(2019年8月末現在)。

ISDN/PHSのサービス終了については、NTT東西やソフトバンクが周知活動に力を入れてきたこともあり、今や広く認知されている。

NTT東西は、ISDNの代替案として、①IP電話サービス「ひかり電話」を活用した帯域保証型データ通信サービス「データコネクト」、②特定の相手先と閉域網でつなぐ「IP-VPN」、③変換アダプターで3G/LTEへの移行を実現する「無線」と3つの方法を推奨してきた。さらに、2024年1月までにISDN対応端末やシステムの更改が間に合わない利用者のための補完策として、切替後のINSネット上データ通信を2027年頃までを目途に提供する。

いずれの方法も一長一短があり、案件ごとに適した方法も異なる。ただ、変換アダプターによる3G/LTEへのマイグレーションは、既存の端末や設備をそのまま使え、コストを抑えられるという理由から、幅広い業種や用途で支持を集めている。

通信キャリアやMVNOも参入こうした流れを受けて、通信キャリアやMVNOも無線によるマイグレーションサービスに参入し始めた。

例えばインターネットイニシアティブ(IIJ)は今年6月、フルMVNOサービス「IIJモバイルサービス/タイプI」において、「ISDN乗り換えプラン」の提供を開始した。(図表1)。

 

図表1 IIJ「ISDN乗り換えプラン」の全体イメージ
図表1 IIJ「ISDN乗り換えプラン」の全体イメージ


月額500円~というインパクトのある料金を前面に打ち出しているが、「これはあくまでもきっかけ作り。閉域網やセキュリティ、認証サービスなども含め、WAN全体の提案につなげるのが目的」とMVNO事業部 ビジネス開発部 ビジネス開発課 課長代行の小路麗生氏は説明する。

フルMVNOならではの特徴であるSIMのライフサイクル管理により、店舗の移転時などはSIMを休止状態にすることで、コストを抑えることが可能だ。

この9月には、ISDN移行の当事者であるNTT東も、VPNサービス「フレッツ・VPNプライオ」「フレッツ・VPNワイド」のオプションとして、指定のモバイル事業者の回線から閉域接続を行える「モバイル接続サービス」を開始した。

3G/LTEへの移行手段の選択肢は増える一方だが、当然、用途に合った移行手段選びが重要になる。
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