東京大学情報学環が高度セキュリティ人材育成の新拠点を開設 ―― 東京・八重洲にサイバーレンジを常設

東京大学大学院情報学環は2016年7月22日、東京八重洲に「東京大学大学院情報学環セキュア情報化社会研究寄付講座(SiSOC-TOKYO)」の新オフィスを開設することを発表した。

SiSOC-TOKYOは、サイバーセキュリティに関する課題について学際的研究、人材育成を推進する目的で2015年に設立されたもの。今回開設した新オフィスには、学生や企業のセキュリティ担当者を対象としたトレーニングを行うための実践的演習環境(SiSOCサイバーレンジ)を常設し、高度セキュリティ人材の育成を図る。


東京大学大学院情報学環セキュア情報化社会研究寄付講座、グループ長の須藤修氏(左)と満永拓邦氏

グループ長の須藤修教授は新オフィス開設に当たり「セキュリティ人材が不足している。官民一体で人材育成をしていくための拠点がこのサイバーレンジだ」と説明した。東京大学の学生を育成するほか、IoTやFintech、AIなど、今後一般化する新テクノロジーのリスクとセキュリティに関する研究も進める方針だ。


八重洲オフィスに設置したサイバーレンジの概要

八重洲オフィスに設けたサイバーレンジ(擬似防御演習場)については、特任准教授の満永拓邦氏によれば「30人が同時に攻撃防御演習のトレーニングを行える」という大規模なもの。「セキュリティ人材の育成は座学だけでは難しい。実際に手を動かして体験していただくことが重要で、実践的なサイバーレンジを目指していく」と話した。

新オフィスはすでに稼働を始めており、外部の企業、学術機関、政府機関などとも連携しながら、「特に“トップガン”と呼ばれる高度人材を育成する」(満永氏)方針。定期的に研修やトレーニングを開催する。


9月に実施予定のトレーニングの内容

9月にはデロイト トーマツ リスクサービスとの共済で、東京大学および大学院に所属する学生向けにサイバーセキュリティトレーニングを開催する。オランダ大使館の後援により、オランダ デロイトの講師が実務者向けに提供しているトレーニングプログラムを行い、優秀な受講生は、同国のサイバーセキュリティ関連企業への視察に招待する。

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