ソフトバンク孫社長が描く近未来!――「IoTは、スマホよりも爆発的にライフスタイルを変えていく」

ソフトバンクグループは今、どんな成長戦略を描いているのか。7月30日~31日開催の法人向けプライベートイベント「SoftBank World 2015」の基調講演に登壇した孫正義社長は、IoT、人工知能、スマートロボットの3つに注力すると宣言。IoTや人工知能などによって、劇的に変化していく近未来の成長戦略について語った。

「情報武装で、どのように成長戦略を描くか」――。企業成長の鍵は、「情報武装×成長戦略」だと説くソフトバンクグループの孫正義社長。

「少なくともスマホ、タブレット、クラウドという三種の神器をフルに使いこなして、初めて情報武装したといえる」と続けるが、この3つはもはや「“持っていて当たり前”という状態」になっているのも事実だ。企業成長に必須のツールではあり続けるものの、他社と差別化を図るための“武器”ではなくなってきている。

自社の競争優位を保持するには、“新たな武器”を見つける必要があるわけだが、それでは一体どんなテクノロジーに注目すべきなのか。

スマホ、タブレット、クラウド
情報武装のための三種の神器だというスマホ、タブレット、クラウド。しかし、もう差別化のための武器にはならない

それを語る前に、孫氏が明かしたのがボーダフォン買収時のエピソードだ。

「2兆円の賭けをしていいのか。その意思決定をする2週間前に私が何をしたかというと、1人の人物に会いに行った。その人物はスティーブ・ジョブズ――。『iPodにケータイの機能を付けたものを作ってほしい。そうすれば、新しい時代のケータイ端末ができるじゃないか』。そう話すと彼はニコッと笑って、『お前はクレイジーな奴だ。そんなクレイジーなお前が好きだ』と言ってくれた」

当時はiPhoneの発表前。まだアップル社内でもごく一部しか知らない極秘プロジェクトの段階だったというが、このときソフトバンクはiPhoneの国内独占販売という武器を手中にする。「新たな武器があったからこそ、2兆円の賭けに出れた。何の勝てる戦略もない、単なるばくちではなかった」

ソフトバンクグループ 孫正義氏

「単に音声で話すケータイの時代から、モバイルがインターネットの最も重要な機器になる時代を先読みし、成長戦略を描いたから」と、孫氏は2兆円の賭けに勝つことができた理由を説明する。

もちろん、国内3キャリアから発売されている現在、iPhoneは差別化の武器という役割を終えている。すなわち、企業がスマホ、タブレット、クラウドに続く情報武装の手段を探しているのと同じように、ソフトバンクもまた、次の新たな武器を求めている。

ただ、為すべきことの本質は変わらないようだ。「これから10年後、20年後、30年後の近い将来を推定し、それに対して、他社より先に手を打っていくこと」

情報武装のための新たなテクノロジーは数多く出てきている。ドローン、ウェアラブルデバイス、ナノマシン、AR/VRなどだが、ソフトバンクが成長分野だと定め、特に注力するのは次の3つ。IoT、AI(人工知能)、スマートロボットだという。

IoT、AI、スマートロボットが成長分野
IoT、AI、スマートロボットがソフトバンクにとっての成長分野

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