企業ネットワーク最前線

経営者が知っておきたい「スゴイ!ICT活用術」

【第2回】IoTで「ものづくり」が変わる! ~製造業ICTの現在・過去・未来~

文◎西俊明(ライトサポートアンドコミュニケーション) 2015.06.16

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

「インダストリー4.0」というキーワードを最近よく耳にします。IoTによって今、ものづくりが大きく変わろうとしているのです。今回は製造業ICTの歴史を振り返りながら、IoT時代のものづくりを展望します。

こんにちは。西俊明です。連載第2回目のテーマは「ものづくり」です。

最初に質問です。ものづくり・・・製造業の課題とは、いったい何でしょうか?

もちろん、いろいろなものがあると思いますが、大きくは以下の3点に集約されます。それは

「品質を改善したい」
「コストを削減したい」
「納期を守りたい」

ということです。

工場で実施するさまざまな活動は、すべてこの3点を実現するために行っている、と言っても過言ではありません。それぞれ英語でQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(配達=納期)であることから、この3大目標のことを、それぞれの頭文字を取って「QCD」と呼びます。

「工場のアウトプットはQCDである」

というような言い方がされることもあるぐらい、ものづくりにおいては大切な概念です。

現在、わが国の「ものづくり」の技術は世界中から高く評価されていますが、それはQCDを実現する活動を磨き上げてきたからに他なりません。

 

「メイド・イン・ジャパン」は粗悪品の代名詞だった?!

今でこそ「日本製品の品質は高い」ことは世界の常識ですが、昔は「メイド・イン・ジャパンと言えば粗悪品の代名詞だった」と言われたら信じられますか?

実は本当なのです。第二次世界大戦後、焼け野原の状態から復興した我が国の製造業ですが、当初の品質は酷いものだったそうです。

しかし、それも仕方のない部分もあるでしょう。戦後まもなくの間は、原材料・設備・環境のいずれにおいても、不十分ななかで仕事をしていただろうことは、想像に難くないからです。

しかし、そんな状況を変えたのは日本人の実直さ・勤勉さでした。工場の労働者たちは、誰から命令されたわけでもなく、自主的に集まって「どのようにすればよい製品になるのか」「品質が改善されるのか」を話し合い、知恵をしぼって工夫をしていきます。

そのようなボトムアップの小集団活動はQC(クオリティ・コントロール)活動と呼ばれました。その後、現場主導のQC活動はTQC(トータル・クオリティ・コントロール)やTQM(トータル・クオリティ・マネジメント)と呼ばれるトップも含めた全社活動へと発展していきます。

このような活動が日本全国の工場で実施された結果、奇跡とも言われる日本の高度成長時代が生まれることとなったのです。

そして1979年には『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という書籍がアメリカでベストセラーになりました。名実ともに、日本のものづくりが最高であると認められたのです。

ちなみに、QC、TQC、TQMなどに対抗するものとしてアメリカで始まった活動が「シックスシグマ」と呼ばれるものです。

また、TOC(制約理論)というものをご存知でしょうか。これは、「工程全体の中で、ボトルネックになっている部分を集中的に改善するだけで、全体のスピード(スループット)が大きく改善される」という理論です。

ゴールドラット博士という方が提唱した理論ですが、彼はこの理論を広めるために『ザ・ゴール』というビジネス小説を書きました。ザ・ゴールは世界中でベストセラーになりましたが、ゴールドラット博士は「競争力の高い日本にTOCを広めないよう、ザ・ゴールをしばらくの間、日本語に訳させなかった」と言われています。

 

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

著者プロフィール

西俊明(にし・としあき)

慶應義塾大学文学部卒業。合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション代表社員/CEO。富士通株式会社で17年間にわたり、営業、マーケティング業務に従事。2008年、経済産業大臣登録・中小企業診断士として独立し、2010年、合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション設立。専門分野は営業・マーケティング・IT。Webマーケティングやソーシャルメディア活用のテーマを中心に、6年間で150社以上の企業や個人事業主のマーティングのコンサルを実施、120回以上のセミナー登壇実績をもつ。著書に『あたらしいWebマーケティングの教科書』『ITパスポート最速合格術』『高度試験共通試験によくでる午前問題集』(技術評論社)、『絶対合格 応用情報技術者』(マイナビ)、『やさしい基本情報技術者問題集』『やさしい応用情報技術者問題集』(ソフトバンククリエイティブ)、『問題解決に役立つ生産管理』『問題解決に役だつ品質管理』(誠文堂新光社)などがある。

スペシャルトピックスPR

netscout2009
microfocus2009
hitec2009

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】CPS/デジタルツインと
        エッジコンピューティング

●融合する現実世界と仮想空間 ●IOWNでヒトもデジタル化 ●CPSが製造業の切り札に ●エッジAIの実装入門 ●ドコモとNTT東に聞く“キャリアのエッジ”

[インタビュー]情報セキュリティ大学院大学 後藤厚宏学長「サイバー大災害はあり得る セキュリティの自給構造を」 [ソリューション特集]IDaaSのメリットと使い方 【IoT×SDGs】IoTを活用した環境移送技術で、サンゴを絶滅から守る 【技術&トレンド】AIがRANを進化させる日 ほか

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

NVIDIA EGXエッジAIの最適解はGPUにあった!

NVIDIA EGXでエッジコンピューティングの課題を解決し、「スマートエブリシング革命」の実現を!

IDaaSクラウド時代の新常識! 今こそIDaaSを導入すべき3つの理由

クラウドを活用するなら、ID/アクセス管理もクラウドに!

ローデ・シュワルツローカル5Gの測定ニーズの
全てに応えるローデ・シュワルツ

設備構築時の干渉調査・エリア確認、運用開始後の管理までカバー!

MOVEit「パスワード付き圧縮ファイル」
にはもう頼らない!

多様なニーズに対応したファイル転送の姿とは?

Gigamonコロナ禍による通信量の増大に対応

モニタリング、セキュリティ装置の負荷軽減や運用効率化を実現するGigamon社の先進的なL1スイッチ!

ネットスカウトシステムズNWを堅牢にしながらDDoS対策も
ニューノーマルのセキュリティ対策

テレワークのセキュリティと可用性を同時に高める方法があった!

マイクロフォーカス通信キャリアの運用監視をDX

HPEのソフトウェア部門を統合したマイクロフォーカスに、通信キャリアの課題と解決策を聞いた。

tcs-8500遠隔診療がWeb会議でいいはずない!
ノイズなし4K映像伝送を低価格で

医療現場で求められる高画質・低遅延を1台で実現する「TCS-8500」

エンピレックス通信事業者にワンランク上の可視性を

5G時代、キャリアは運用の一層の効率化を迫られるが、クラウドネイティブならトータルコストも削減できる!

KDDIどうする? テレワーク移行時の意外な盲点「固定電話」の取り次ぎ

「固定電話の番のためだけに出社」から脱却するには、何が必要だろうか。

Tocaro仕事を終わらせるビジネスチャット

CTCのビジネスチャット「Tocaro」は、豊富な機能により、プロセス管理や生産性向上も実現できる。

Cisco Meraki Z3全社員が在宅勤務可能な環境をCisco Meraki Z3でシンプルに即実現

<導入事例>検証から実導入までを驚くほどのスピードで!

キーサイト・テクノロジー光集積デバイスに必要なスピーディ
かつ高確度の測定を実現

1Tbpsの次世代光の確立へ、光集積デバイスに最適な光測定製品!

マイクロフォーカス岐路に立つ通信事業者の運用管理
属人・サイロ化から脱却するには?

通信事業者の運用管理に、マイクロフォーカスが"特効薬"を提供する!

シスコシステムズいま知るべき5Gのセキュリティ脅威
大変革時代を「シスコはこう守る」

5G網は様々なサイバーリスクを内包する。シスコはどう対抗するのか。

ホワイトペーパー

アクセスランキング

tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます