携帯電話の販売代理店12社が業界団体を設立―――消費者からの苦情縮減を目指す

携帯電話の主要代理店12社が、消費者からの苦情縮減を目的とした業界団体を設立した。まず1月中旬から全国の携帯専売ショップ1600店舗からのクレーム情報の収集・分析に乗り出す。

2014年12月15日付で発足したのは、「一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会(全携協、National Association of Mobile-phone Distributors:NAMD)」で、アイ・ティー・エックス、MX モバイリング、兼松コミュニケーションズ、クロップス、コネクシオ、相互移動通信、ダイヤモンドテレコム、ティーガイア、TDモバイル、富士通パーソナルズ、ベルパーク、和田正通信サービスの12社が創設メンバーとして参加している。会長にはティーガイア社長の竹岡哲朗氏が就任した。

設立記者会見に臨んだ全国携帯電話販売代理店協会の役員
(左から)西川猛副会長、井上裕雄副会長、竹岡哲朗会長、前田博史副会長、治良博史事務局長

近年、端末の高度化、料金の複雑化、競争の激化などから携帯電話の購入にかかわる苦情や相談が、全国消費生活センターなどに多く寄せられるようになり、総務省は対策として2015年度から携帯電話販売にクーリングオフ(初期契約解除ルール)を導入する方針を打ち出している。店頭販売での端末はクーリングオフの対象から除外されたが、携帯電話事業者・販売代理店が自主的に改善を図ることが条件となっている。全携協は、携帯電話販売業界がこの課題に統一的に取り組むために設立された。

2015年1月14日に開かれた全携協の設立記者会見で、竹岡会長は「公正かつ適正な販売やお客様視点を重視した丁寧で分かりやすい説明、アフターサービスの充実を通じて消費者の苦情の提言を実現、業界の健全な発展、豊かなITC社会の実現に貢献していきたい」と意気込みを語った。

具体的には、協会内に「携帯電話店頭販売サービス向上委員会」を設置し、携帯電話ショップに寄せられた消費者の苦情・相談事例の収集・分析を行い、苦情縮減、サービス向上のための対策を検討していくという。携帯電話店頭販売サービス向上委員会の委員長にはコネクシオ社長の井上裕雄氏、副委員長にベルパーク社長の西川猛氏が就任した。

国内にはキャリアショップだけで8000店、家電量販店を含めると1万5000店の携帯電話販売店がある。全携協の参加代理店は直営のキャリアショップだけで1600店を運営しており、販売シェアは52%に達しており、十分に意味のあるデータの収集が見込めるという。竹岡氏は「会員販売代理店を拡大して販売シェアで70%程度まで持っていきたい」とする。

委員会では会員代理店の直営キャリアショップ1600店のクレーム情報を集約するデータベースを構築、1月中旬から試験運用を開始する。3月には本格運用に入り、4月から分析と対策の検討に入る。さらに各携帯電話事業者や電気通信事業者協会(TCA)の苦情相談対策部会とも連携し、苦情縮減・サービス向上を実現していく。

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