社内SNS成功マニュアル[後編]――社内SNS失敗の“落とし穴”にハマらない!あと6つのポイント

社内SNS導入を成功させるための秘訣はまだまだある。最終回の後編では、社内SNSを定着させるための有効策や運営面での注意点、社内SNS製品の選定方法など、“落とし穴”にハマらないためのポイントをさらに6つ紹介する。

前回の[中編]社内SNS失敗の“落とし穴”に嵌らない、あと6つのポイントでは、社内SNSで失敗する企業の共通点は「導入目的があいまい」であることを指摘したうえで、社内SNSの代表的な導入目的と期待できる効果、そして自社の課題や企業風土に合った目的の見つけ方について紹介した。これで、社内SNS成功への距離は、グンと縮まったはずだが、まだ他にも社内SNSには“落とし穴”が存在する。後編では、さらに社内SNS導入を成功させるための6つのポイントを紹介する。

1.日常業務の中に社内SNSを組み込む

「社内SNSの最大のリスクは『使われない』こと」(ソニックガーデンの藤原士朗氏)。いかに従業員に活用してもらうかが社内SNSの成功の重要なカギを握るが、そのために有効なのは、日常の業務プロセスの中に社内SNSを組み込んでしまうことである。

例えば前回、メールや会議を社内SNSに置き換える企業が増えていることを紹介したが、これは社内SNSの定着も図れる“一石二鳥”の方法だ。「業務に関する連絡や情報共有は、基本的に社内SNSで行う」といったルールを定めて徹底できれば、無理なく社内SNSの利用率を高めることができる。

2.情報はできるだけオープンに、自由闊達な議論を

SNSはそもそもオープンであることに、その特性がある。投稿内容や閲覧者に関する制約が増えれば増えるほど、自由闊達な情報共有や議論は期待できなくなるし、失敗する確率も高まる。

その意味では情報をオープンにすることに抵抗感がある企業には向いていないが、逆にそうした企業風土を変革するための道具としては適しているといえる。

3.「いきなりの全社導入」は禁物だが、「部門導入」も効果減

「いきなりの全社展開は典型的な失敗パターン」と前回紹介したが、もちろんこれは小さく成功を繰り返しながら、徐々に展開範囲を拡大していくことを推奨したもの。全社展開や参加ユーザー数の多さにこだわる必要はないが、社内SNSの展開範囲があまり狭い領域にとどまっても、大きな成果は得られない。

「『部門導入でも大丈夫ですか』とよく聞かれるが、なかなか効果が認められない。なぜなら普段、顔を合わせている人同士なら、それでコミュニケーションは済む。普段、話をしない他部門、あるいは離れた拠点の人と同じテーマで議論できるのが社内SNSの魅力」と日本マイクロソフトの寺田和人氏は話す。

社内SNSは、空間的・組織的な壁を超えて、カジュアルに情報共有や交流が行えるのが特徴だ。だから、毎日のように顔を合わせているメンバーだけで使うのは、もったいない。最初は部門導入などのかたちでスモールスタートすべきだが、さらに別の部門、別の拠点、そしてグループ企業やパートナー企業などに横展開していくことで、いっそう高い効果を得ることができる。

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