社内SNS成功マニュアル[後編]――社内SNS失敗の“落とし穴”にハマらない!あと6つのポイント

社内SNS導入を成功させるための秘訣はまだまだある。最終回の後編では、社内SNSを定着させるための有効策や運営面での注意点、社内SNS製品の選定方法など、“落とし穴”にハマらないためのポイントをさらに6つ紹介する。

目的を明確化すれば、最適な社内SNSも明確に見えてくる

ここからは、実際にどのような社内SNS製品があるのかを紹介しながら、さらに具体的に選び方のポイントを探っていこう。

ソニックガーデンの「SKIP」(http://www.skip-sns.jp/)は、幅広い企業規模をターゲットにした社内SNSが多いなか、大企業向けに設計されているのが特徴だ。顔や名前を知らない同僚同士のつながりを強化するための工夫や、各種セキュリティ機能など、大企業ならではのニーズに応えるべく設計されているという(関連コンテンツ)。

ソニックガーデンの社内SNS「SKIP」
ソニックガーデンの社内SNS「SKIP」

CRMとの連携を特徴とするのは、セールスフォース・ドットコムの「Salesforce Chatter」(http://www.salesforce.com/jp/chatter/overview/)だ。同社のSaaS型CRMの「Sales Cloud」と連携でき、「CRMに社内SNSの発言がビルトインされる」(同社の田崎氏)。社内SNSにさらにCRMの顧客・案件情報が加わることで、より効果的な情報共有やディスカッションが行えるようになるわけだ。もちろん社内SNS単独でも利用できる。

セールスフォード・ドットコムの社内SNS「Salesforce Chatter」
セールスフォード・ドットコムの社内SNS「Salesforce Chatter」

日本マイクロソフトの「Yammer」(http://www.microsoft.com/ja-jp/yammer/default.aspx)も、他の業務アプリケーションとの連携を特徴の1つにしている。SharePointやDynamics CRMの中に、「Yammerをパーツとして組み込んでしまう」(同社の寺田氏)ことなどが可能だ。今後さらに「Office 365の一部として統合していく」という。社内SNS成功のポイントの1つとして、日常的な業務プロセスの中に社内SNSを組み込むことを挙げたが、こうした観点からも他の業務アプリケーションとの連携は有効だ。

これまでメールで行ってきたやりとりを社内SNSに置き換える場合には、日常的なコミュニケーションを行う道具として、いかにメールより優れた操作性や機能が実現されているかが重要である。この点にこだわって開発されたのがガイアックスの「Co-Work」(http://pr.co-work.com/)だ。

例えばCo-Workでは、自分宛の投稿は「あなたへの依頼」としてトップページに返信するまで表示され続けるため、重要な連絡を見落とすことがない。また、メールのように1件ずつ中身をチェックしなくても、返信が必要な情報が一目で分かるので、メール確認にかけていた時間を大幅に削減できる。

さらに、Co-Workの画面内で添付ファイルのプレビュー表示が可能なのも、メールソフトにはない機能だ(一部プレビュー対象外のファイル形式あり)。添付ファイルの確認は後回しにしがちだが、Co-Work内でシームレスに内容を閲覧できるので、より迅速に仕事が回っていく。

ガイアックスの社内SNS「Co-Work」
ガイアックスの社内SNS「Co-Work」

多機能であることが必ずしも社内SNS選びでは重要でないことは紹介した。そこで最近、目的特化型の社内SNSも目立つようになってきている。例えばChatWorkの「ChatWork」(http://www.chatwork.com/ja/)は、グループチャット機能を中心にした製品だ。よりリアルタイムなやりとりをしたい場合に向く。また、gambaの「gamba」(http://www.getgamba.com/top)は日報型の社内SNSである。目的に対して機能が絞られ過ぎていてはもちろん困るが、設定した目的に合致するのであれば、こうしたタイプの社内SNSのほうが、多機能のものよりフィットするだろう。

以上、3回にわたり社内SNS導入を成功させるためのポイントを紹介してきた。セールスフォース・ドットコムの田崎氏によると、同社は「仕事のユーザーインターフェースは“フィード(feed)ファースト”の時代になる」と考えているという。

「パソコンの世界では、Excelで作った顧客リストだったり受信メールリストだったり、“リスト”が仕事のユーザーインターフェースだった。では、『ソーシャルやモバイルが普及した今の世界のユーザーインターフェースは何だろうか』と考えると、FacebookにしろTwitterにしろ、すでに10億人以上の人がタイムライン上に気になるフィードがあったら、その情報にアクセスするという情報の集め方を行っている。ということは、会社においても、フィードファーストの働き方に変わってくる」

ソーシャル時代、モバイル時代にふさわしい働き方とは何なのか――。現在抱えている課題と照らし合わせながら、これからのワークスタイルをしっかり考えていくなかで、自社にとって最適な社内SNSの使い方や製品が見えてくるはずだ。

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