スマートフォンが店舗の決済端末に――ソフトバンクとPayPalが合弁会社を設立

ソフトバンクは2012年5月9日、米eBayの子会社であるPayPal(ペイパル)と国内でデジタル決済を推進する合弁会社「PayPal Japan」を設立すると発表した。

(左から)PayPal JapanCEOに就任するソフトバンクモバイル取締役常務執行役員の喜多埜裕明氏、eBay社長兼CEOのジョン・ドナホー氏、ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏、PayPal代表のデイヴィッド・マーカス氏

新会社は、日本でモバイル決済ソリューション「PayPal Here」を提供する。PayPal Hereはスマートフォンに挿す親指大のカードリーダーと、無料のモバイルアプリケーションを使ってクレジットカードやデビットカード、PayPalによる支払い受付ができるサービス。すでに米国、カナダ、香港、オーストラリアで導入されており、日本が5番目になるという。

専用カードリーダーはスマートフォンのイヤホンジャックに挿す

ソフトバンクの孫正義社長は「新会社は日本の決済市場を変える目的で設立する。これまでオフラインの世界、つまり一般のお店での支払いには、我々インターネット企業は関与しなかった。しかし、これからはオンラインの世界とオフラインの世界が完全に融合し、双方がお客を誘導し合い、支払いも一体化される。この市場において我々は、オンライン、オフラインの両方でNo.1のポジションを取りたい」と語った。

また孫社長は、「日本はカード決済後進国」と指摘。利用できる店舗が少ないのが理由であり、システム未導入の多くを占める中小規模店舗では、導入コストや回収期間の問題などがあり、導入障壁は高かった。だが、PayPal Hereは、手持ちのスマートフォンに1200円程度(オープン価格)の専用カードリーダーを挿せばカード決済端末となり、代金は即時店舗の口座に振り込まれ、手数料も5%で済むという。

中小規模店舗におけるカード決済システム導入の障壁

PayPal Japanは、両社が10億円ずつ出資し、7月をめどに設立する予定。CEOにはソフトバンクモバイル取締役常務執行役員の喜多埜裕明氏が就任し、このほかソフトバンクから2名、PayPalから3名の役員が着任する予定だ。

PayPal Japanの設立概要

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