進化する「MDM(モバイルデバイス管理)」の最新動向[第2回]――ウィルス対策とも融合し高度化

スマートフォン/タブレットを企業で安全に利用し効率的に管理するために不可欠なMDM(モバイルデバイス管理)。企業のニーズが多様化・高度化するのに合わせ、その機能も急速に進化している。第2回はセキュリティ機能に焦点を当てる。

(第1回はこちら

社内システムとの連携を前提にスマートデバイスの活用を検討する企業は当然、PCと同等かそれ以上の高度なセキュリティレベルを求める。

この点で、ユニークな取り組みをしているのが、「MobiConnect for Business」を提供するインヴェンティットだ。NTTドコモにAndroid OS向けMDMのOEM提供もしている同社は、2011年9月からiOS向けMDM機能の提供を開始した。

iOS向けのMDMは、アップルが提供するMDM機能を用いているものが一般的だが、インヴェンティットはその「Apple-MDM方式」と、それではカバーできないセキュリティ面を強化した独自方式「IVI-MDM方式」の2つを用意(図表1)。ユーザーは自社のニーズに合わせて選択できる。

図表1 iOS遠隔制御方式の比較表
図表1 iOS遠隔制御方式の比較表

Apple-MDM方式では、端末を利用する社員が容易に構成プロファイルを削除して端末を管理外に置くことができてしまう。設定したセキュリティポリシーは消去され、紛失盗難時にもリモートロック/ワイプが不可能になってしまうわけだ。

これに対してIVI-MDM方式では、同社のクライアントソフトをインストールし、構成プロファイルの削除を防止。さらに、クライアント自体を削除されても強制的にワイプを実行できる仕組みも用意し、より高いセキュリティを確保している。

「Apple-MDM方式」の場合、削除ボタンが表示され、簡単に消去が可能(左)。一方、「IVI-MDM方式」では削除ボタンがない

「ポリシーを保護できて、最悪の場合でもワイプだけはできる。他社はすべてApple-MDM方式を採用しているなか、この2つが当社の最大の差別化ポイントだ。コンプライアンスを重視する企業は、これだけで当社に決めていただける」と執行役員営業本部長の山形浩一氏は話す。

月刊テレコミュニケーション2012年2月号から再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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