ソフトバンクは2008年7月に「iPhone 3G」を発売し、昨年5月には「iPad」を投入するなど、スマートフォン/タブレット端末では他社に先行してきた。
法人向けのスマートフォン/タブレット端末の販売でも、他社製品と比べてiPhone/iPadは圧倒的に認知度が高く、優位にある。「従来の携帯電話とは使い勝手が違うために法人営業ではスロースタートで、当初はこちらから使い方を一生懸命に提案していた。今では事例も増え、営業側からの話とお客様の知っている話がマッチする環境ができている」と、ソフトバンクモバイルのプロダクト・マーケティング本部法人プロダクトサービス統括部統括部長の三ツ井淳氏は手応えを感じている。
とりわけiPadについては企業の間で関心が高く、現在テスト段階にある企業も少なくない。2011年度は企業での本格導入が進むことが期待されるという。
ソフトバンクグループで法人部門を担当するソフトバンクテレコムでは、iPadの企業利用として「ペーパーレス」と「ホワイトワークスタイル」という2通りの業務改革を提唱している。
前者は、紙業務のiPadへの置き換えで、例えば紙を使っていたアンケートの集計を、iPadのアプリを使うことで迅速に行えるようになる。すでにフィリップ・モリス・ジャパンがタバコの新製品紹介活動に活用している。ソフトバンクモバイルの法人営業でも、提案書の代わりにiPadでカタログや動画を見せているが、メッセージが伝わりやすいうえ、提案の標準化ができるという。
後者は、クラウドサービスを活用して場所や時間、デバイスにとらわれずに仕事ができるワークスタイルを意味する。ソフトバンクテレコムでもこの業務スタイルを取り入れ、社員のPCをiPadに置き換えることで、業務効率化やコスト削減を実現するとアピールしている。「複雑な資料を作成するのにiPadでは無理があるためPCの重要性を否定しているわけではないが、営業マンのオペレーションの負荷を下げてiPadを活用できる」と、ソフトバンクテレコム営業推進本部マーケティングプロモーション部部長の中塚博康氏は語る。
ソフトバンクモバイル プロダクト・マーケティング本部 法人プロダクトサービス統括部 統括部長 三ツ井淳氏 | ソフトバンクモバイル プロダクト・マーケティング本部 法人プロダクトサービス統括部 サービス企画部企画管理課 課長 杉田弘明氏 | ソフトバンクテレコム 営業推進本部 マーケティングプロモーション部 部長 中塚博康氏 |