産業ごとの要件に合わせた性能、スペックを実装する。例えば、遅延は10ミリ秒、1つのエリアで最大1000台接続できれば十分といった要件を決めてソリューションを開発する。これが、ローカル5Gを低コスト化して普及させるカギだ――。
2020年の早い段階からスマートファクトリーを主要ターゲットとした検証機を開発し、“made in Japan”のローカル5G機器製造メーカーとして多くの実証実験に関わってきたエイビット。執行役員 5Gビジネスユニット長を務める池田博樹氏は、ローカル5G普及のカギについてそう語った。
ローカル5Gサミット 2021で講演する
エイビット 執行役員 5Gビジネスユニット長の池田博樹氏
大きなポテンシャルを秘めながらも、「初期コストが高い」「運用が難しい」など導入・活用のハードルがなかなか下がらないことがローカル5Gの悩ましい点だ。2019年末の免許制度開始から早2年、より安価で使いやすいソリューションを待ち望む声はますます高まってきているが、その突破口は見えてきているのだろうか。
2021年11月24日に開催された「ローカル5Gサミット2021」の講演で池田氏は、この課題を解決するためのポイントを解説した。特にニーズが高いスマートファクトリー分野でローカル5Gを活用するためのポイントとして挙げたのが、次の3点だ。(1)サブ6帯とスタンドアロン方式の採用、(2)低遅延と上り大容量通信の実現、そして(3)産業用イーサネットへの対応である。