住友電気工業と住友電工ネットワークスは2010年6月23日、高速同軸モデムの新製品「MC3000シリーズ」を開発、10月に発売する予定と発表した。
高速同軸モデムとは、高速電力線通信(PLC)の技術を応用し、ビル内の既設のテレビ共聴用同軸ケーブルを利用して高速ネットワーク環境を構築するためのモデムだ。LAN配線が困難な既築の建物でも、低コストかつ短工期で高速なネットワーク環境を構築できることから、ホテルや病院、学校、集合住宅などで採用されている。
住友電工では2007年9月から高速同軸モデム「ACLC」を販売しているが、今回そのラインナップに追加するMC3000シリーズは、特に通信事業者やCATV事業者がターゲット。これら事業者が提供する集合住宅向けトリプルプレイサービスを念頭に開発されたという。
そのため、QoS機能やIPマルチキャスト転送機能など、IP電話サービスやIPTVサービスの提供に必要な機能を実装。また、Webブラウザによる子機の遠隔管理を可能にするなど、運用管理面も強化された。さらに、モデム本体に同軸2端子(フィルタ内蔵)を実装したことにより、従来のACLCでは必要だった外付け分岐器/分配器などが不要となり、モデム接続作業が容易になったという。
価格はオープンで、2012年までに10万台の販売を目標にしている。
なお、MC3000シリーズは6月24日~26日の3日間、池袋サンシャインシティで開催される「ケーブルテレビショー2010」のブロードネットマックスのブースで展示される。