主な利用シーンに、周囲監視がある。これまで複数のカメラ画像を切り替えて行っていた監視を、全体俯瞰画像により効率良く、的確に状況を把握することが可能になる。また、5G時代には高速大容量・低遅延といった特徴のネットワークを活用し、遠隔からの機器操作の支援などの用途も期待されるという。
時速160kmの高速走行中の映像モニタリングのフィールド実験に成功 |
OKIのブースでは、免許不要で長距離伝送が可能な920MHz帯マルチホップ無線「SmartHop」関連の展示も充実している。
このうちSmartHopに対応した無線加速度センサーシステムは、昨年発売された新製品だ。橋梁や鉄塔など屋外のインフラ構造物に取り付け、加速度や傾斜角を無線ネットワークを使って遠隔で収集したデータを可視化するシステムを提供する。データの微妙な変化から、老朽化の兆候を捉えたり、災害時の健全性の確認に役立てることができる。
無線加速度センサーシステムにより、橋梁や鉄塔の老朽化の兆候などを把握できる |
SmartHopはシリアル透過や低速移動体対応機能を内蔵し、各社のSmartHop対応商品と組み合わせてIoTシステムを構築するMHシリーズと、消費電力を抑え電池駆動のマルチホップネットワークを構築できるSRシリーズに分類され、合わせて70製品ほどある。工場やビル、建物の地下など電波の不感地帯でもマルチホップによりカバーできる点が、LPWAと比較した際の強みだ。このため、ビル内のトイレのIoT化や工場の生産ラインの監視などの引き合いが多い。今後も製品ラインナップを強化し、今年度100製品を目指しているという。
このほか、映像圧縮と画像センシングにより高度な映像IoTシステムを実現する「AISION(アイシオン)」も展示されている。
AISIONの中核となるゲートウェイ装置「映像IoT-GW」には、映像圧縮および画像センシングのモジュールを搭載する。
解像度などはそのままで、ビットレートのみ圧縮する |
「今後ディープラーニングにも対応すれば、ゲートウェイがよりインテリジェント化する」(説明員)という。