GDP600兆円実現に向け、オフィス業務にも生産性向上が求められている安倍内閣は、2020年度に名目GDP600兆円の達成を目指しています。2015年度の名目GDPの確報値は532兆円でしたので、これは大きなチャレンジと言えるでしょう。
具体的には、「名目GDP600兆円に向けた成長戦略(「日本再興戦略2016」)」において、「官民戦略プロジェクト10」を設定し、計画を精緻化しています。
600兆円に向けた「官民戦略プロジェクト10」(一部項目の抜粋)
1:新たな有望成長市場の創出 2:ローカルアベノミクスの深化 3:国内消費マインドの喚起 |
名目GDP600兆円に向けた成長戦略(「日本再興戦略2016」)
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cmsdata/f/5/2/f52273661575777aee873bca54abdf79.pdf
この「官民戦略プロジェクト10」の本文の中には、ロボットに関する記述が多く見られます。具体的には
・「ロボット革命実現会議」
・「介護ロボット活用」
・「ドローン配送実現」
・「中堅中小企業向け小型汎用ロボ」
などです。今後さらに生産年齢人口減少が進む我が国が経済成長するためには、ロボットの活用が必須である、ということでしょう。
これは、間接部門を始めとするオフィス業務についても言えることです。
オフィス業務における生産性向上と言えば、「働き方改革」を思い浮かべる方が多いと思います。
「働き方改革」は、決してオフィス業務だけを対象にしたものではありませんが、「リモートワークの推進」など、オフィス業務が主な対象である施策が目玉の1つとなっています。そのため、オフィス業務は「働き方改革」の重要な対象の1つと考えることができるでしょう。
この「働き方改革」では、生産性向上に加え、別の目的もあります。
みなさんも記憶に残っていると思いますが、某広告代理店の女性新入社員が過労により自殺をした、という悲しい事件が起こりました。
このようなことを繰り返さないために、長時間労働是正など、ワークライフバランスの質を向上していくことも「働き方改革」の目的です。
つまり、女性や高齢者を活用して労働人口の増加を図りつつ、さらに生産性向上とワークライフバランスの質の向上を両立させることが、「働き方改革」の目的です。
しかし「働き方改革」で示された内容だけでは、ワークライフバランスの質の向上はともかく、生産性の向上は限定的になるのではないか、と筆者は考えています。それほど人口減のインパクトが大きいということです。
そこで、オフィス業務においても、人間による「働き方改革」以外に、生産性を大きく伸長させる手段が期待されています。
それが、今注目されているソフトウェアロボットを使った業務改革、つまりRPAの活用です。