「今後さらにSMB市場への攻勢を強めていく」――。チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズでSMB営業部長を務める真田賢太氏は、11月に札幌で開催した中小企業向けITセキュリティセミナーの壇上で、こう意気込んだ。
従来、エンタープライズを主戦場としてきたチェック・ポイントが、SMB市場に参入したのは2013年下半期のこと。かなりの後発といえるが、その後、順調にSMB市場での存在感を増してきている。
「参入年度と比べて、2016年は販売台数が50倍近くに拡大した」と真田氏は明かす。
SMB向けのセキュリティアプライアンス「Check Point 700シリーズ」。Wi-Fiモデルも用意している |
SMB向けの4つの強みSMB市場での実績を伸ばすチェック・ポイント。もちろん精神論だけで猪突猛進してきたわけではない。着実にSMB向けソリューションを充実させてきた。
システムエンジニアリング部 セキュリティエキスパートの小林晋崇氏は、チェック・ポイントのSMB向けソリューションの訴求ポイントを4つ挙げる。
1つめは、最新の脅威に対応するための「ThreatCloud」だ。チェック・ポイントのラボでの検証結果や、世界中で導入されている同社製品が検知した情報、第三者機関から提供を受けた情報など、グローバルの脅威情報をクラウド上のデータベースに集約し、UTMへリアルタイム配信する仕組みだ。
2つめは設定が簡単なこと。チェック・ポイントのSMB向けセキュリティアプライアンス「Check Point 700シリーズ」はエンタープライズ向けとは異なるOSを搭載しており、インターフェースはすべて日本語化。ハンズオントレーニングを受けたパートナー企業なら、2~3分で初期設定が行えるという。
3つめは、脅威情報などをレポートとしてアウトプットする機能だ。700シリーズにはレポート機能が標準搭載されており、検知したマルウェアの数、インターネットトラフィックやアプリケーションの利用状況、マルウェアに感染したPCやサーバーの台数とIPアドレスなどを可視化できる(図表)。
図表 Check Point 700シリーズが標準搭載するレポート機能 |
4つめはクラウドマネジメントサービスの「Security Management Portal」。機器管理のためのサービスがバンドルされており、機器のリモート管理やファームウェア更新、コンフィグの自動バックアップなどをクラウド上で行うことができる。これにより例えばIT担当者がいない中小企業などに対し、SIerがリモート運用サービスなどを提供することも容易である。
「“モノ売り”ではなく“コト売り”。SMBのためのサービス付きで販売するのがチェック・ポイントの特色だ」と小林氏は話す。