NECは2016年3月22日、8K/60p超高精細映像の圧縮・伸長処理を実現するコーデックの新製品として、エンコーダ「VC-8350」、デコーダ「VD-8350」を同年4月に発売すると発表した。
エンコーダ「VC-8350」(左)とデコーダ(映像デコードサーバ)「VD-8350」
8K映像は、4K映像と比べてデータ量が約4倍と多く、音声・映像を伝送するためにはより圧縮率の高いコーデックが求められる。今回発表した新製品では、映像符号化方式として「H.265/HEVC」を採用。音声符号化方式には、「MPEG-4 AAC-LC」を採用し、最大22.2チャンネルの音声圧縮に対応する。これらにより放送事業者は、既存の衛星放送やIPネットワークなどの伝送路を利用して、8K放送サービスが提供できるという。なお、4K映像の圧縮・伸長処理にも対応しているため、4K・8Kの番組が混在する放送サービスの実現も可能だ。
また、次世代の伝送規格であるMMT(MPEG Media Transport。2014年にISO/IECの国際標準規格として承認された多様な伝送路に対応したメディア伝送方式)にも対応することで、受信側で伝送路を区別することなく映像表示が可能となり、放送と通信を連携したハイブリッドサービスが容易になるという。
出荷開始は2016年9月から。