ワークスタイル変革Day 2015 レポートNEC木村氏「オフィスの枠を越えた多様な働き方をUCとマルチデバイスで創造する」

NECの木村智氏は、今後の労働力人口の減少への対応策となる、女性や高齢も含む多様な人材によるオフィスの枠を越えた協働――テレワーク・在宅勤務を取り込んだ新しいワークスタイルについて解説。自社における具体的な取り組みと、そのノウハウを生かしたユーザー企業向けソリューションを紹介した。

オフィスの枠を超えた協働には4つの要素が必須「日本の労働力人口は2030年に約820万人も減少するといわれている。そのため国では、女性や高齢者の活用、さらにテレワークや在宅勤務の普及など、さまざまな施策を進めている」

「“枠”を超えた多様な働き方を創造する これからの企業内コミュニケーション」と題して講演した木村氏はまず、人口の減少や少子高齢化に伴う労働環境の変化について説明。これが講演テーマとして掲げた、多様な人材によるオフィスの枠を越えた協働が求められる理由だと述べた。

総務省のホームページから引用した国内人口の推移
総務省のホームページから引用した国内人口の推移

さらに、こうした協働の実現に必要な要素として、①共通の目的・価値観、②制度・環境の整備、③ICTの整備、④意識改革の4つを提示。この中で最もハードルが高いと思われる意識改革に関して、職場や家庭、地域での阻害要因を掲げつつ、ある調査データを示して「残業時間と売上高利益率には相関がない」「労働時間が長いほど仕事満足度は低く転職意向も高い」と、かつてのような長時間労働=勤勉といった世間の意識も変わっていることを強調した。

オフィスの枠を越えた協働の実現に必要な4つの要素
オフィスの枠を越えた協働の実現に必要な4つの要素

全世界13万人のグループ社員に協働のための共通サービスを提供続いて木村氏は、枠を越えた協働の実現に向けたNECの具体的な取り組みについて、4つの要素別に解説した。

共通の目的・価値観としては、15年ぶりに刷新し7月1日から展開している企業ブランドメッセージ「Orchestrating a brighter world」を掲げ、その社内浸透を図る狙いも込めた意識改革の一環として、創立記念日の7月17日に行った全社イベント「NECグループバリューの日」を紹介した。

NEC スマートネットワーク事業部 シニアエキスパート 木村智氏
NEC スマートネットワーク事業部 シニアエキスパート 木村智氏

制度・環境の整備では、ダイバーシティ=多様な人材の積極活用に向けた各種支援制度の中で、女性の活躍推進に関する取り組みを取り上げた。NECでは女性社員の出産・育児後の復職率が高いものの、仕事と家庭の両立の大変さからキャリアアップへの意欲は低下傾向にある。そこで、女性管理職が「SELENE(Scarlet Elegance in NEC)」というチームを結成し、若手・中堅女性社員との対話イベントなどを開催して意識改革に取り組んでいるという。

ICT整備については、全世界約13万人のグループ社員に向けた「GISP」という共通サービスを紹介した。これは、社内ポータル/プロジェクトサイトやSNS、Web/テレビ会議、スケジューラ/プレゼンス機能、インスタントメッセージ、モバイルなど、どこでも同じように仕事ができる仕組みをトータルに提供するもので、マイクロソフトとの協業により構築したという。

NECグループの全社員を対象とした共通サービス「GISP」の概要
NECグループの全社員を対象とした共通サービス「GISP」の概要

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