「有線から無線へシフトする企業ネットワーク、その課題と将来」とは?

「企業ネットワークは有線から無線へと急速に進化している」――。NTTデータは1月24日、東京都内でプライベートイベント「NTT DATA Innovation Conference 2014」を開いた。その中から「有線から無線へシフトする企業ネットワーク、その課題と将来」と題した、NTTデータの馬場達也部長の講演をレポートする。

無線技術は昔から存在しているが、特にこの2~3年、オフィスへの無線技術の導入が加速している。なぜ今、無線なのか?――。その背景として、NTTデータ ビジネスソリューション事業本部ネットワークソリューションビジネスユニット モバイルビジネス推進担当 部長の馬場達也氏は3つの要因を挙げる。

まず、スマートデバイスの普及である。オフィスでも、ケーブルに頼ることがめっきり少なくなった。外出先でのスマートデバイスの利用も進んでいる。

また、ビッグデータ基盤が整ってきており、データ収集の手段としてM2Mが普及しているが、M2Mでも無線技術が多用されている。

3つ目は、無線技術そのものの進化である。有線LAN並みのスループットを実現できるようになり、料金の低廉化も進んだ。さらに、有線WANと比較し、無線WANは工事費が不要というメリットもある。NTT東西はISDNの提供を2020年~2025年に終了する計画だが、現在もバックアップ回線などに多く使われているISDNの代替として、無線WANの導入が進むことも予想されるという。

3種類の無線技術から要件に合致した技術を選定

次に馬場氏は、無線技術の利用にあたっては、利用シーンごとに要件に合致する無線技術を選定し、それらを組み合わせて適切に使用することが重要と指摘した。例えばスマートデバイスの場合は、可用性が非常に重要になる。一方、建設機械のM2Mなどの場合、通信は1日に1回だけなど、間欠的に行われることが多いため、可用性はそれほど重要ではない。

無線技術の導入にあたってはネットワーク要件の把握が重要
無線技術の導入にあたってはネットワーク要件の把握が重要

企業が現在、免許不要で利用できる無線技術は、無線LAN(Wi-Fi)、M2M向けの920MHz帯無線、3G/LTEなどの無線WANの3つに大別できるが、これらの3技術は、カバーエリア、スループット、コストなどにそれぞれ特徴がある。馬場氏は、「重要なのはその特徴を踏まえながら、無線技術を使用することだ」とした。

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