NTT コミュニケーション科学基礎研究所(以下、CS研)が最新の研究成果を一般公開する「NTT コミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2025」を2025年5月20日から22日にかけて大阪で開催する。これに先立ち、13日に報道関係者向けの内覧会が行われた。
全20件の展示予定の成果のうち、8件が内覧会で紹介された。
内覧会で紹介された展示項目
非接触で触感を提示 超音波触覚インターフェース
8件のうち3件が今回初公開となる研究成果で、その1つが「空中に触感を生み出す」技術だ。触感を提示する技術はゲームや医療など様々な分野での応用が期待されているが、多様な触感を再現するには大きく重いデバイスを装着する必要があり、実用化に向けた課題になっている。
そこでこの研究では超音波を皮膚に照射し、圧力感を提示することで、デバイスに直接触れずに触感を再現する。超音波で触感を再現する研究は従前より行われているが、提示できる感覚は振動感に限られていた。
超音波で触感を提示する装置。敷き詰められた黒い部品が超音波振動子
同研究では物体に触れたときに感じる基本的な感覚である圧力感を超音波で提示することに成功。これを振動感と組み合わせることで、「さらさら」「つるつる」といった物体のテクスチャー感の違いも表現可能となった。
内覧会ではデモを実施。超音波振動子を敷き詰めた装置から照射される超音波を手の平や甲で受けると、触感を感じ取った。VRゴーグルと組み合わせることで、映像上の球体の表面がさらさら、ざらざら、つるつるなどに変化して感じられた。