<特集>ローカル5G 10大注目トレンドローカル5G版「RedCap」の活かし方 LPWAやWi-Fiとどう差別化する?

2025年に国内で利用可能になるIoT向け5G「RedCap」。ローカル5Gでももちろん利用できるが、LPWAやWi-Fiとの差別化が鍵になる。改めて、RedCapの特徴とローカル5Gでの活かし方を探ってみよう。

「スマートグラスやスマートウォッチといったウェアラブルデバイスがローカル5Gでなかなか出てこない。RedCapでコンパクトな製品が出てくることを期待している」という声があれば、「IoTに適した通信インフラは他にもある。LPWAやWi-Fiで十分ではないか」と静観する事業者も。2025年に国内導入が始まるRedCap(Reduced Capability)に対して、ローカル5G事業者の見方は様々だ。

RedCapは5GベースのIoT向け通信規格である。5Gの機能を簡素化することでデバイスのコストや消費電力の低減、小型化を図るために作られた。3GPP Release 17で仕様化され、Release 18では、さらに省電力化を図ったeRedCap仕様が策定された。

ローカル5G向けの無線仕様は

RedCapはFDD帯域と、ローカル5Gを含むSub6/ミリ波で使用できる(eRedCapはFDDとSub6のみ)。以下、国内導入に向けて技術検討作業班が公開した報告案を基に、ローカル5Gに関連する部分について、既存の5G(NR)との違いを整理しよう。

帯域幅は、Sub6は10MHzまたは20MHz幅(NRは最大100MHz)、ミリ波は50MHzまたは100MHz(同400MHz)となりそうだ。空中線電力は、Sub6については最大23dBmに制限される(NRは29dBm)。

RedCapの最大伝送速度は、下りが150Mbps、上りが50Mbps。eRedCapは上下ともに10Mbpsだ。MIMOは最大2で、受信アンテナも1端子以上(NRは2端子以上)と規定されている。キャリアアグリゲーションも非対応だ。

このように帯域幅を狭くし、かつ受信機能を制限することで消費電力とコストを抑えているのが、RedCapの技術的特徴だ。

もう1つ、既存のNRとの違いとして重要なのが、受信間隔を拡張するeDRX(extended Discontinuous Reception)だ。受信していない間は一部の機能を停止することで消費電力を抑えるDRXの受信間隔を、NRの最大2.56秒から最大2.91時間まで拡張できる。

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