生成AIブームの“火付け役”とも言えるChatGPTが登場して、間もなく2年が経過しようとしている。会議の要約やメール文案の作成など、ビジネスへの活用も進んでいる。そのほか、製品デザインや広告コンテンツの自動生成、創薬など生成AIの活躍の場は多岐にわたる。
生成AIのさらなる進化に向けて国内外の企業がチャレンジを続けているが、ソフトバンクもその1社だ。昨年8月には、独自の大規模言語モデル(LLM)の開発を行う子会社「SBIntuitions」を本格稼働させた。生成AI検索エンジンを提供する米スタートアップの「Perplexity」とは、今年6月に戦略的提携を結んでいる。
そして7月に満を持して稼働したのが、「Gen-AX(ジェナックス)」だ。生成AIを活用したビジネス向けSaaSプロダクトおよびコンサルティングサービスを提供する。「生成AIの開発やチューニングはSB Intuitionsが担うが、生成AIを業務で使えるようにお客様に寄り添って業務改善を支援する存在がソフトバンクのグループの中になかった」。Gen-AXの代表取締役社長CEOに就任した砂金信一郎氏は、新会社設立の背景をこう語る。
Gen-AX 代表取締役社長CEO 砂金信一郎氏
同社がまず目を付けたのが、コンタクトセンター領域だ。今年3月から、ソフトバンクは日本マイクロソフトと共同で、生成AIを活用したコールセンター向け業務自動化システムの開発を開始。ソフトバンクのコールセンターに順次導入していくという。Gen-AXは2024年度内に同システムをベースに外部企業のニーズに合わせたシステムを開発し、2025年に運用ノウハウを含めて外販していきたい考えだ。