3Dメガネなしで「鏡からキャラが飛び出す」超鏡空中像表示をNTTが開発

バーチャルキャラクターが鏡の中と外の空間を自在に移動――。そんな不思議な映像を、3DグラスもXRゴーグルも装着せずに体験できるシステムをNTTが開発したと2024年7月26日に発表した。この「超鏡空中像表示システム」は、複数人の同時視聴にも対応。博物館やデジタルサイネージ、イベント等での利用を想定しており、2025年度の実用化を目指すという。

NTTが世界で初めて開発した「超鏡空中像表示システム」とは、一体どんなものなのか。開発に携わったNTT人間情報研究所 サイバー世界研究プロジェクト 主任研究員の巻口誉宗氏は次のように説明した。

「鏡の中にバーチャルキャラクターを表示するだけでなく、鏡の外の空間にも表示させられる。さらに、この体験を、3DメガネもXRゴーグルも使わずに複数人で同時に視聴できる」

超鏡空中像表示とは

超鏡空中像表示とは

例えば、鏡の中にいる人や動物が視聴者の目の前の空間に飛び出してくる――、そんな映像体験が可能になる。加えて、鏡の中にいても外にいても、視聴者が手をかざすとバーチャルキャラクターがその手の方向を向くといった操作も可能だ。

鏡と空間に映像を表示する「2つの既存技術」を組み合わせ

巻口氏によれば「デジタル情報を日常生活の中で自由に表示したい」というのが、この技術を開発したモチベーションだ。情報アクセスの自由度を向上させることで、「生活のいたるところにデジタル情報を表示できるようになり、バーチャルエージェントの実現も期待できる」と展望している。

NTT人間情報研究所 サイバー世界研究プロジェクト 主任研究員の巻口誉宗氏

オンライン説明会で本技術について解説するNTT人間情報研究所 サイバー世界研究プロジェクト 主任研究員の巻口誉宗氏

その超鏡空中像表示システムは、次の2つの既存技術の組み合わせで実現しているという。鏡に映像を表示する「ミラーディスプレイ」と、空間中に映像を表示する「空中像表示技術」だ。

ミラーディスプレイは、鏡面あるいは鏡の中に映像を表示するもので、デジタルサイネージやアーケード等で利用されている、片面のみ映像を反射するハーフミラー(マジックミラー)を使う。

ミラーディスプレイ

ミラーディスプレイの構造と利用イメージ

空中像表示技術とはその名の通り、空間中に映像を表示する技術だ。例えば、コロナ禍において、タッチパネルを空間中に表示することで暗証番号の入力を非接触型で行うといったケースで利用が広がった。

ミラーディスプレイでは、デジタル情報を表示できる領域は鏡の中だけであり、空中像表示技術は鏡の外(空間中)への表示を前提としている。この2つを組み合わせて連続的に映像を表示できれば、鏡面という「物理的な制約に縛られない映像表現ができる」(巻口氏)。

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