テレコムサービスの2024年度業績予想について説明するNECの森田隆之社長
NECは2024年4月26日、2023年度通期決算を発表した。売上収益は前年度比5.0%増の3兆4773億円、Non-GAAP営業利益は同306億円増の2276億円。「期初に掲げた業績予想値に対して、全指標で目標を達成した」と代表執行役社長 兼 CEOの森田隆之氏は説明した。
ITサービス、防衛事業等のANS(Aerospace and National Security)など、全社的に好調に業績が推移したなか、減益となったのはテレコムサービスだ。2022年度に構造改革を実施したグローバル5Gの損益は大幅に改善したものの、ハードウェアからソフトウェアを中心とした高付加価値事業へのシフトに伴う資産処理などの一過性費用を第4四半期に150億円計上し、調整後営業利益は前年度比64億円減の419億円となった。
2024年度のテレコムサービスは、増益に転じる見通しだ。売上収益は前年度比320億円増の8400億円、調整後営業利益は同431億円増の850億円を計画する。「売上によらない改善で、(営業利益を)300億円超は改善できると思っている。ソフトウェアへのシフト、オペレーションの改善で100億円くらい」(森田氏)
売上に関しては、昨年度落ち込んだ国内市場が回復するという。「むしろ昨年度、もうちょっと進んでもおかしくなかった。通信の品質の問題、帯域の問題を含めて、ネットワークの増強が必要な状況になっていると理解している。少なくとも22年度レベルに24年度は戻ると置くのは、決してアグレッシブなプランではない」と森田氏は語った。グローバル5Gについては、「ほぼ横ばいから20%、10%の伸び」で見ているという。
とはいえ、不確実性が高いのがテレコムビジネス。「やはりリスクがあるので、会社全体では2割、3割、需要が下振れたとしても、吸収できる算段をとっている」とも話した。
2024年度の全社での業績予想は、Non-GAAP営業利益で前年度比274億円増の2550億円となっている。