キーパーソンが語る

SDN/NFV時代に「キャリアイーサネット」はどう進化していくのか?

構成◎坪田弘樹(編集部) 2015.08.06

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キャリアイーサネットの業界団体「Metro Ethernet Forum(MEF)」が新ビジョン「第3のネットワーク」を打ち出した。キャリアイーサネットは今後、どのような方向に進化していくのか。MEF COOのケビン・バション氏と、MEFの主要メンバー企業の1社であるKVHでVice President 執行役員を務めるギント・アトキンソン氏に聞いた。

クラウドとネットワークをバンドル――具体的に、どのようなサービスが可能になるのですか。

アトキンソン 我々KVHは、まさにこのLSOを使ったサービスを提供しようとしています。

LSOは、さまざまなネットワーク、データセンター、クラウドサービスを結びつけるところで威力を発揮します。現在、企業のお客様は複数のデータセンター/クラウドサービスを使うようになっており、それにアクセスするためのネットワークもまた同様です。こうした多種多様なサービスを組み合わせて、利用するためのプロビジョニングには従来、何週間もの期間がかかっていました。それを数時間で可能にし、またサービス全体を一元管理するのにLSOは役立ちます。

具体的な我々のサービスの例で説明しましょう。KVHは2013年に、日本で初めて100Gbpsのイーサネットサービスの提供を開始しました。そして、東京・大阪、シンガポール、香港の主要データセンター拠点をつなぐ広帯域なネットワークを構築し、これを基盤としてお客様と、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといったクラウドサービスを高信頼なプライベートネットワークでつなぐ「KVH Cloud Connectivity Services」を提供しています。

通常、企業のお客様がこうしたクラウドサービスとのダイレクトアクセスを行おうとすれば、AWSの場合はAWSの、AzureならAzureのAPIを使ってそれぞれセットアップが必要です。そのサービスオーケストレーションを我々が代わって行い、全体を制御します。クラウド事業者とアクセスネットワーク事業者のインフラをLSOに基いて制御するのです(図表)。

多様なクラウドサービスとネットワークとの接続をどのように効率的に制御するのかという課題を解決するのにLSOが効力を発揮します。

 

 

図表 LSO for Cloud Service Delivery のユースケース例
LSO for Cloud Service Delivery のユースケース例


――複数の通信事業者/サービスプロバイダー、クラウド事業者間でのオーケストレーションを可能にすることがLSOの目的なのですね。

アトキンソン マルチサービスのオーケストレーションが可能になるという点が重要です。

MEFの仕様に準拠していれば、どの事業者・ベンダーから提供されるサービスもネットワーク接続も組み合わせることが可能になります。つまり、我々のような事業者は、いかによいサービスを提供するのか、エンドツーエンドのエクスペリエンスをいかに磨いていくのかに集中することができるようになるのです。

我々のサービスでは、お客様はWebポータルから使いたいサービスや帯域幅を選んでもらうだけで、目的に応じたコネクティビティを利用していただくことができます。とにかく多くの帯域幅が欲しいという場合なら、遅延が大きくても安い帯域幅を注文すればよいでしょう。反対に、プライオリティの高いトラフィックについては遅延の少ない高品質なアクセスを利用できます。このような2種類の帯域を従量課金で利用していただけるため、弾力性に富んだ使い方が可能です。

こうした仕組みによって我々は、複数のサービスを包括してお客様に届けることができるようになります。この“ニューサービスバンドル”という考え方は、お客様に新しい価値を提供することにつながり、また、新たな需要を生み、我々の成長も後押ししてくれるでしょう。

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