モバイル管理に不可欠なMDMの進化系「EMM」を徹底解説

スマートデバイスの業務利用に欠かせないMDM。これにMAMとMCMの機能を加えた「EMM」が一般化している。ベンダー各社はMAMとMCMに対応するとともに、独自機能を用意して差別化を図る。

アイキューブドシステムズ――スマホで成果を出すことに注力

アイキューブドシステムズは、国内ベンダーとして早くからEMMを取り揃えた企業だといえる。同社は、「管理やセキュリティを最重視しているのではなく、いかにスマートデバイスを導入して成果を上げるか、うまく活用するのかに注力している」(アイキューブドシステムズ プロダクトマーケティング統括部 マーケティングコミュニケーション 課長の山崎隆弘氏)。

「CLOMO MDM」は、iOSとAndroid、Windows、Kindleを統合管理できることと、管理者に優しいUI/UX設計、マルチキャリア対応を強みとしている。

MAMに関しては、CLOMO MDMのオプションサービスとして「CLOMO MOBILE APP PORTAL」を用意。企業内で利用するスマートデバイスに、社内アプリとマーケットプレイス上の利用推奨アプリをインストールするためのワイヤレスで配信するためのポータルサイトと、その管理機能を提供している。

社内専用のアプリ配布ポータルでは、管理パネルへアプリを登録するだけで、公開範囲を社内に限定したアプリ配布ポータルを構築できる。配信専用サーバーの用意も不要だ。

iOSの場合、これまではデバイスをケーブルにつないでアプリのインストールを行う必要があったが、CLOMO MOBILE APP PORTALを使えば、ワイヤレスで社内配布を行える。

CLOMO MOBILE APP PORTALには、AppStoreで公開されるアプリの中から、業務での利用を推奨する「おすすめアプリ」を登録できる。社内で開発したインハウスアプリは、社内に限定したポータルサイトで安全に展開できる。

また、大量同時アクセスにも対応し、1000台を越えるようなデバイスから一度に大量のアクセスが集中しても自動的に必要なだけのサーバーを起動し、正常に稼働する。

アプリごとに公開対象を設定することも可能。営業部や経理部、開発部など、アプリごとに公開先の組織を指定し、それぞれの組織や部門が求める最適なアプリを配布できる。

このほか、「ブラウザ」「ファイル共有」「メーラー」「共有アドレス帳」「カレンダー」という5 種類のビジネスアプリを集めた「CLOMO SECURED APPS」もオプションで追加することが可能だ。

アイキューブドシステムズは2015年4月に、モバイル、IoTのセキュリティを強化する「センサーデータの管理機構」に関する特許を日本国内で取得したことを発表した(図表2)。

図表2 アイキューブドシステムズの特許を活用したソリューション
アイキューブドシステムズの特許を活用したソリューション

スマートフォンやタブレット端末、ノートPCなどの携帯端末にとどまらず、今後、IoTによって新たに登場するさまざまな携帯端末では「未公開製品の撮影データ」「顧客宅訪問営業時の録音データ」「患者の体調データ」「気温、風速、湿度などの環境データ」といった多様なデータを取得する。本特許が実現する管理機構は、携帯端末で取得するデータの情報漏えい対策を実現するという。なお、特許出願は国際出願中である。

月刊テレコミュニケーション2015年5月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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