M2Mイノベーションの時代[第2回]コネクテッド・ビークルの世紀へ――M2Mで加速する車のインテリジェント化

ネットワークに常時接続する車、「Connected Vehicle(コネクテッド・ビークル)」が増加している。2016年には、半数の車がConnected Vehicleになっているという予測もある。今回は、M2Mにより加速する車のインテリジェント化について紹介する。

1.Connected Vehicleの先駆け: GM OnStar

Connected Vehicle(コネクテッド・ビークル、以下CV)とは、ネットワークへの常時接続に対応した車両のことだ。ABIリサーチ社の推計によると2010年にグローバルで約10%の車両がCV化しており、さらに2016年には約53%がCVになっているという。近い将来、車両の2台に1台がネットワークに常時接続しているわけだ。

米GM(ゼネラルモーターズ)は早くからCV向けのテレマティクスシステム及びサービスを開発し、CVサービスの先駆け的な存在となっている。同社のサービスは「OnStar」のブランド名で展開されており、登場したのは1997年。米ベライゾンワイヤレスの携帯通信網を利用した常時接続通信とGPS機能を搭載したシステム及びサービスは当時、革新的で非常に珍しいものだった。

GMのOnStarの名を一躍有名にしたのは、なかでも車衝突時の自動検出と救出サービスである。このサービスは、車両に異常(加速度センサーによる急ブレーキの検出、エアバックの起動など)が発生すると、車両内のシステムがその状態を自動的にOnStarセンターに送信。GPSで位置を特定し、事故者の救出に向かうというものである。

OnStarが一般的なロードサービスと異なるのは、事故を起こした当人が連絡をする必要なく、自動的にサービスが行われる点だ。

本サービスは有料であるが、必要な機器は最初から車両に搭載され、後はサービスに加入するだけで利用できる。現在OnStarは、GMとは独立したサービス事業者が提供しており、24時間365日運用を行っている。また、2000万人以上の加入者を擁しており、ルームミラー型の後付機器である「OnStar FMV」を取り付けることで、GM製の車両以外でも利用可能だ。

OnStar
OnStarのWebサイト(https://www.onstar.com/web/portal/emergencyexplore?tab=1

OnStarは今も発展し続けており、いろいろな新サービスが加わっている。特徴的なのはSOSサービスと盗難車追跡サービスだ。SOSサービスは文字通り車内に設置された赤いSOSボタンを押すと、SOSがセンターに自動通知され救出が行われるというもの。盗難車追跡サービスでは盗難車の追跡を行うだけでなく、盗難車の車速を遠隔から徐々に減速させ、最後は停止させるということまでできる。

[連載目次]M2Mイノベーションの時代

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